2016年06月25日

「To a you side 第九楽章 英雄ポロネーズ 第八十四話」予告編

エルダー・スクロールズ・オンライン日本語版が今週発売φ(..)>挨拶





***



 天狗一族を敵に回したあの時から、夜の一族の協力を得て人外に関する知識を学んでいた。天狗一族との抗争で城島晶を巻き込んだ手前、今後人外の敵に対して無知である事は罪だと痛感したからだ。
事の善悪を問える人間では無い為、悪鬼羅刹に限定していない。魔族の天敵である神族、この世で神と称される存在についても調査を行った。聖地へ向かう目的もあり、神についても精通しなければならない。
そうして知識を貯めこんでおきながら、肝心な場面で生かせない俺はとことん頭が悪い。ノアの証言や聖女の予言というヒントを得ていたのに、頭の中で無意識に否定していたのだ。

天狗とは、神話のガルダを前身とする仏法を守護する迦楼羅天が変化した存在――すなわち、敵が神である可能性を。

「異世界ミッドチルダが出身か、地球から異世界へ渡り歩いて来たのか。一体どちらなんだ、守護神さんよ」
「我の起源を問い質すとは無礼かつ不敬であるぞ、天の遣いよ」

 ――少なくとも、俺の出身を確実に知っているようだ。驚きはなかった。次元世界の歴史は長い。安全に地球から異世界へ渡る手段が確立されている以上、神が精通していても別段不思議ではない。
現状における天狗一族との繋がりは不明だが、夜の一族という例にあるように、人外の寿命は人類よりも長い。何らかの形で繋がっている可能性も否定出来ない。カレン達も異世界の調査を行うと言っていたからな。
俺を"聖王"とは呼ばず、敢えて天の遣いと表現したからには、異界からの渡航者である事は見破られている。となれば当然、"聖王"ではない事も熟知している。

猟兵団の勢力が一向に衰えず、この期に及んで牙を尖らせていたのも団長の担保があってこそだったのだ。

「久方ぶりに目の当たりにしたが、どの世界であろうと人とは変わらぬものよ。神を忘却しながらも、神を畏れる心を生涯捨てきれぬ」
「聖地と呼ばれるこの地を巣としながら、人の信仰に疑問を投げかけるのか」
「貴様を神と崇める無知蒙昧に、この我が肯定せよと申すのか」

 迦楼羅天、インド神話にも登場する炎の如き光り輝き熱を発する神鳥。人を遥かに超える総高を持つ圧倒的な存在感と美しき彩色は、神々しさに満ち溢れていた。人は見上げ、神は見下ろす。
半鳥半人の恐ろしい御姿をした神鳥の王は、人の欲望に濡れた大地へ舞い降りようとはしない。美しい翼を持つ者、スパルナの呼び名は伊達ではないらしい。欲望から隔絶した存在であった。
梵天や大自在天、文殊菩薩様の化身とまで呼ばれる神格者は、荘厳と戦場を見下ろしている。敗者となった猟兵団の面々に視線を向けても、さしたる感情は見いだせなかった。

当然であろう。猛禽類は特筆すべき個であるが、鴉は集団を持って強者と成り果てる。紅き翼の一枚二枚もがれても、鴉本体がいる限り再生出来る。

「ごめんなさい、団長……貴方から団を任されていながら、この体たらく。貴方の嫌いな俗世に再び戻してしまった、申し開きも出来ないわ」
「エッテを責めないであげて、ガルダ。白旗が、化け物揃いだった」
「かまわぬ。穢らわしき"九尾の狐"がこの地へ連れ込まれた時点で、我自ら出向くべきであろうと決めていた」

 ――九尾の狐。聞き慣れぬ呼び名であろうと、聞き違える愚かさは既に捨てている。迦楼羅天が降臨した時点で、あらゆる絶望を受け止める覚悟は出来ていた。もとより懸念はあったからだ。
ディアーチェから渡された竹刀を、握る。柄尻を強く握り締められない。体力の消耗は分かり切っていたが、ノアとの交戦が肉体の疲労に拍車をかけた。握力まで麻痺してしまっている。
プレセアとの決戦で、剣士として戦う体力を失った。団長との決闘で、バリアジャケットを編み上げる魔力を失った。ノアとの交戦で、人間として戦う気力を失った。魔女の奇襲で、生物としての生命力を失った。


***




あらゆる力を失った俺にはもう、何も残されていないのか――否。





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2016年06月18日

「To a you side 第九楽章 英雄ポロネーズ 第八十三話」予告編

東京出張も終わりそうです>挨拶





***



 最初の原則、唯一神への信仰。
 第二の原則、公正で文化的な人道主義。
 第三の原則、国家の統一。
 第四の原則、合議制と代議制における英知に導かれた民主主義。
 第五の原則、全国民に対する社会的公正。

 金色の星を描いた黒い盾。
 四角い輪と丸い輪で構成される円形の鎖。
 熱帯の樹。
 社会的動物の野牛。
 金色の稲穂と白い綿花。

 
 社会の持続と、生計の象徴。


 諸人の心を統べる方。勝利あれ、運命を担いし方よ。
 我等は汝の恵みを祈り、唱い賛える。

 勝利あれ、勝利あれ、勝利あれ。

 勝利、勝利、勝利――




***





 勝利あれ。






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2016年06月11日

「To a you side 第九楽章 英雄ポロネーズ 第八十二話」予告編

健康診断に引っかかり、再検査になりました。悪玉コレステロールLDLが150もあったそうです、どうしよう| ̄|○>挨拶





***


 救われたのだという感覚は、実のところあまりなかった。戦場においての生存は、戦争の再開に他ならない。死ねば安心であり、生きていれば戦い続けなければならない地獄である。
そうした意味とは違って、この戦場は文字通りの地獄であった。百鬼夜行の再来、魔女が使役した妖魔や幽霊は群を成しており、地の底から溢れ出ている。恐るべき魔力と執念であった。負の念に取り憑かれている。
そうした意味とは違って、俺は文字通り負の念に取り憑かれていた。大魔導師の母に縛られていた地縛霊が解放されたからといっても、浮遊霊にしかならない。この世に遺されているのは、法術による願いでしかない。

魑魅魍魎が跋扈する魔界で平然と笑っていられるこの娘は、まさしくあの世からの使いであろう。


「久し振りだねー、ダーリン。リニスからの連絡で武勇伝をいっぱい聞いているよ。花嫁さんであるあたしも、鼻が高いわ」
「ど、どうして聖地へ来ているんだ!? 管理局の法外とはいえ連中の目には届くんだぞ、此処は!」

 ――アリシア・テスタロッサ、ジュエルシード事件の起因となった過去の被害者。愛する我が子を蘇らせる為に、プレシア・テスタロッサはジュエルシードを使って願いを叶えようと暴走してしまった。
幸いにもロストロギア使用は未然に防ぎ、プレシアへの説得は成功して、彼女は管理局へ自首した。その際彼女が保存していたアリシアの遺体を、クロノやリンディの厚意により共同墓地へ埋葬されたのである。
法術使いの俺はプレシア・テスタロッサの願いは叶えず、俺を救ってくれたアリシアの魂を遺す形で恩返しとした。加害者と被害者は共に手を引いて事件は幕となったのに、発見されれば騒ぎになってしまう。
当時の事件関係者が知れば、どう見たって俺が法術を使用したと推測するだろう。結晶体となったアリサの処置でも散々揉めたのに、幽霊のアリシアまで出てくれば収拾がつかなくなる。

アリサは負の念が結晶化されたので害はないが、アリシアはあくまで幽霊である。魔物や幽霊の類は、異世界ミッドチルダでも神経を尖らせる存在。まして戦乱が起きている聖地では、目の敵になりかねない。

「最初はママと静かで平和な暮らしをしていたんだけど、ママとしてもあたしがこのままでいる事を不安に思っていたみたいなの。ダーリンに万が一の事があったら、あたしも成仏しちゃうでしょう。
あたしとしてはダーリンと添い遂げられるから文句はないんだけど、やっぱりママの事も心配。それでママがリニスを使って、色々調べてくれたの」

 リニスから、プレシア・テスタロッサの裁判の判決が出たとは聞いていた。色々起きた事件だったが、広大な次元世界を管理する管理局から見れば管理外世界での一事件に過ぎない。
ジュエルシードが地球にばら撒かれたのはあくまで事故であり、そのジュエルシードも第三者が回収しただけでプレシア本人は未使用。ジェエルシード自体は暴走してしまったが、本人が起こしたのではない。
プレシア本人も回収後"自首"しており、司法取引を受けてその後に続く一連の事件の捜査にも多大に貢献。本人も深い反省を見せており、優秀な執務官であるクロノが担当ともなれば、裁判も早い。

重病であるプレシアは魔力封印が施された上で、隔離世界へ移送されて静養と贖罪の生活を送っている。本人は動けない分、リニスを使って幽霊について調べさせたらしい。

「その結果、どうして俺の所へ来たんだ。これ以上法術を頼られても困るぞ、お前はもう願いを叶えたんだからな」
「理由その一は正に、此処にはダーリンがいるからだよ。ママが家族以外で信頼しているのは管理局じゃなくて、ダーリンだもん」


***




 ……俺が死なないか不安で仕方がないくせに、あの女もよく信頼なんぞと言えたものである。






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2016年06月02日

「To a you side 第九楽章 英雄ポロネーズ 第八十一話」予告編

6月ですね>挨拶





***


 主犯である魔女の成敗は完了し、聖地防衛の名目で魔龍を狙っていた猟兵団と傭兵団の主力は壊滅。白旗メンバーは全員完勝して、聖地は無事に守られた。地雷王討伐により、地震が止まったのである。
ベルカ自治領の混乱は現地のリニス達が治めてくれているだろうし、信徒達への影響はウーノ達が最小限に食い止めてくれている筈だ。彼女達の能力ならば、心配する必要性すら無い。
全次元世界が注目していた決闘場での騒動も聖王教会騎士団と時空管理局、スポンサーであるカリーナ達が穏便に事を治めてくれている。欲望が爆発した戦争も、これでようやく終戦となる。

とはいえ戦争である以上、油断は禁物。メンバーもその点は弁えており、勝利を喜び合うよりも先に争いを収める事を優先。主力を撃破した後は各自、残存勢力への対処に取り掛かっている。

「シスター、俺はもう大丈夫なので聖地までひとっ走りお願いします。此処で起きた戦況の全てを、現地のリニス達に伝えて下さい」
「……承りました、必ず」

 戦争が収束していない以上懸念はあるだろうが、聖地や信徒達への影響を案ずる気持ちもまた強いのだろう。一瞬逡巡した後一礼して、シスターシャッハは音もなく駆けて行った。
本来であれば彼女はシスターであり、聖王教会や信徒達を守る事が責務である。白旗への派遣として使命を全うする思いに嘘偽りはないが、地雷王が起こした震災で後ろ髪を引かれる思いだったに違いない。
申し訳なくは思っていたが、今日この時まで力になってくれた事にはまず感謝したい。どうあれ、彼女もまた仲間の一員だ。聖女の護衛という目的を抜きにしても、聖地を平和にしたいと思う。

その為にも、一刻も早く争いが起きた原因を何とかしなければならない。

「大事な足を先走らせて、君は一人何をするの?」
「魔龍を確保する。所有権争いにケリを付けるさ」

 プレセアの処分について聖王教会騎士団と揉め合ってしまい、魔龍の処分を疎かにしていた自分にも責任がある。聖王教会騎士団との決闘も無事決着がついた以上、白旗の確保は法的にも問題ない。
騎士団との決闘が行われている瞬間を狙った魔女のやり方は、悪辣ではあるが見事だと言わざるをえない。俺の思考を読んだというより、俺の思考と同一であるあの女は自分の考えに従って行動したのだろう。
決闘で勝利して魔龍の処分を公式に一任されても、先に戦争が起きてしまえば所有権は曖昧になってしまう。こうした戦争による権利のちゃぶ台返しは過去の歴史上幾らでも例があり、実に厄介であるのだ。

敵勢力の主力が失われた今が、最大の契機だった。魔龍を確保してこの場で所有権を宣言すれば、奴らが争う理由は何一つなくなる。大義名分が失われ、実力でも勝てないと分かれば降伏するしかない。



***




「お前はどうする、ノア」
「ついていく」








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2016年05月28日

「To a you side 第九楽章 英雄ポロネーズ 第八十話」予告編

今週、健康診断に行ってきます_| ̄|○>挨拶





***



 護衛とは、対象者の身辺に付き添って守る事である。ならば警護と警衛とは何か、その違いは一体何処にあるのか。月村すずかという少女は、クイントという師とルーテシアという先生より学んでいた。
俺を護衛する上で、警護を執り行う。対象者を守るべく、あらゆる事故を防ぐ。此処は戦場、あらゆる予想外という惨事が起きる危険地帯。流れ弾や奇襲、暗殺等を"声"を聞いて察知して、人災及び天災を退ける。
俺を護衛する上で、警衛を執り行う。対象者を守るべく、あらゆる警戒を行う。ノアが万が一殺意の牙を覗かせていれば、即座に駆け付けてくれていただろう。距離があろうと、妨害されていようと、関係ない。

"ギア4"というスタイルを確立した少女であれば、マリアージュという人型兵器であろうと対抗出来る。


「魔力変換(ロギア)、炎熱(メラメラ)――燃える竜爪拳、"火炎竜王"」


 猟兵のノアと人型兵器のマリアージュ、俺の確保という目的は同じだが立場は違う。自身の濃密な魔力を炎熱に返還、自身の強靭な体型を魔龍へ変形した王女は、灼熱の爪でマリアージュを攻撃。
兵器であるマリアージュも武装していたのだが、持っていた刃ごと妹さんは燃え盛る竜の爪で切り裂いた。同じ人外であれば、容赦はしない。刀は無残に解体され、人型兵器はあろう事か溶解してしまう。
立ちはだかった一機だけではない、その背後から迫っていたもう一機も背骨まで抉られている。夜の一族の王女というとびきりの異能を察したのか、マリアージュ達は編成を組んで四方から襲いかかる。


逃げ場はないのだと"聞いて"、妹さんはその場に膝をついて――"音を鳴らした"。



***





「万物には"声"があり、物質には"核"がある――竜爪拳、"竜の息吹"」






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2016年05月25日

「Eternal Advance Chapter 21 "I hope your day is special" Action16 杷木」予告編


5月も終わりですね>挨拶





***




 カイとメイア、二人に対する極秘作戦が決行。刈り取り襲来時に発令される非常事態警報そのものは鳴らさないが、各部署への警告と通達だけは当然行っておく。
非戦闘員含めて全クルーが一丸となってサプライズパーティの準備に取り組んでいる最中なので、連絡漏れは一切ない。
警報が発令しない理由は言われるまでもなく全員察して、協力は怠らなかった。ニル・ヴァーナ艦内はパーティ準備に専念し、艦外ではパーティの邪魔をする敵を倒しに行く。

メイアが出撃不可となる本作戦において、リーダー候補生としてメイア直々に指南されていたディータが遂に抜擢された。


「以前からメイアより報告は受けていてね、教育内容を含めてお前さんの努力は評価しているよ。初陣だ、しっかりやりな」
『は、はは、はい! ディ、ディータ、頑張ります!』
「そう固くなるな、初陣で何もかもお前に押し付けるつもりはない。サブリーダーのジュラをつけるし、チームメンバーもベテラン揃いだ。
肩の力を抜いて、メイアより教わった事を遺憾なく発揮すればいい」


 本来であればこのタイミングでディータに任せるつもりはなかった。現リーダーであるメイアをつけて一戦一戦、丁寧に着実に学ばせるつもりだった。
今回メイアが出撃不可となったのは、彼女の誕生日前である今日敵の待ち伏せが発覚した偶然である。この偶機を、生かすことになったのだ。
メイアが不在であればサブリーダーのジュラが代役するべきだが、今回はよりにもよってカイも不在である。

女性だけのチーム構成はマグノ海賊団にとってむしろ通常営業、ならばいっその事この機にディータに経験させる事とした。

『リ、リーダーも、宇宙人さんもいないんだ……ううっ』
『ちょっと何なのよ、その落ち込みようは。ジュラがサポートだと、そんなに不安なの?』
『ううん、そんな事無いよ! ただ――』
『ただ?』


***




『その、敵の宇宙人さんの中に新しい敵さんもいるんだよね。ディータ達だけで戦えるのか、ちょっと考えちゃって』
『……』






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2016年05月21日

「To a you side 第九楽章 英雄ポロネーズ 第七十九話」予告編

FF15。オープンワールド系、スカイリムでドハマリしているジャンルなので興味が出てきました>挨拶





***


"銃を突きつけられた時の対応?"
"うむ"
"どうしてそれをクリスに聞くの、ウサギ"

"お前に今、銃を突きつけられているから"

 夜の一族の世界会議がドイツで行われた七月、要人テロ襲撃事件が起きて会議は一時中断。事件に巻き込まれた俺は身を隠す為町外れの別荘に滞在していたのだが、どういう訳か一族の姫君達まで住む事になった。
各国を代表する見目麗しきお嬢様方ばかりだが、経歴及び身分は物騒の一言。特にロシアの夜の一族クリスチーナ・ボルドィレフは稀有な殺人の才能を持ち、弾丸を目で見て躱せる殺人姫であった。
ロシアンマフィアの美少女は夜の一族の長き歴史の中でも最高峰の実力者で、爛々と紅く瞳を光らせて虎視眈々と俺を狙っていた。何とか和解はしても、寝所に潜り込んでは銃を突きつけてくる。

遊びで終わるのか、本気で殺しにかかるのか、その日の気分次第。愛も友情も、彼女にとっては等しく無価値。昨晩愛に溺れた人であろうと、次の日はゴミのように死体に変えられる。

"クリスから逃れることなんて出来ないよ、ウサギ"
"吐息がかかるこの距離なら、剣の方が早いぞ"
"至近距離なら尚更、銃に分があるよーだ"

 チュッと俺の鼻面にフレンチキスをして、クリスチーナは機嫌良く笑う。シルバーブロンドの髪の少女は天使のように愛らしく、悪魔のように残酷に微笑んでいる。
突きつけられている銃口は眼前、少女の未成熟な肢体は俺の胸の上に乗せられている。手元には竹刀、少女の青き果実を斬るより早く、少女の弾丸が俺の額に穴を開ける法が早いと宣告される。
やってみなければ分からないという反論は、負け惜しみに過ぎないだろう。ロシアの少女の白い首筋には噛まれた跡、先日俺が噛み付いた傷跡が生々しく残っている。手当の後さえなかった。

治療を申し出る周囲の声を愛らしく黙らせて、ロシアンマフィアは男がつけた暴行の痕を宝石のように飾っている。


"剣を持つ腕の動作がクリスのトリガーの速度を上回るかどうか、試してみる?"
"撃鉄を落とさなければ、発砲出来ない。マウントを取られても、お前の腕は切れるぞ"
"あはは、ウサギってば無邪気でカワイイ。ぶった切られたって、クリスの照準は一切ぶれないよ"


 マフィアが殺すと決めたのであれば、自分が殺されようと標的を殺す。任務遂行を第一とするからこそプロであり、私情で目的を後回しにするのはアマチュアでしかないと無慈悲に指摘される。
俺の脅迫はクリスチーナにとって動物の愛玩に等しいのだろう、目を細めて俺の首筋を舐める。血のように赤い舌は妖艷で、バラのように毒々しく濡れそぼっていた。
銃とは構えて引き金を引く二つの動作が必要、剣士は一つの動作で斬るのみ。瞬間的な対応であればこちらが早いという認識は、結局俺の子供じみた願望にすぎないのか。


このままでは、鼻歌交じりに引き金を引かれる。


"銃口を通じてお前が丸見えだぞ、クリスチーナ。目線を辿れば弾道は読めるから、回避はできる"
"丸見えなんて、ウサギのエッチ。この体制からちょっと屈み込めば、クリスの胸がチラ見出来るかもね"
"その瞬間に、銃の射程圏内から逃れる!"

"ところが照準を定める動作の方が早いんだよねー、うふふ"

 さくらんぼのような乳首が見えた瞬間に腰を跳ね上げて、クリスチーナを蹴り上げる。反動でベットから転がり落ちる事には成功したが、座り直した途端に高級絨毯が穿たれてしまう。
着弾先は俺の逃走経路だった部屋のドア先、次のつま先が落ちるポイントを正確に撃たれた。早いなんてものじゃない、一秒を数える間に彼女の銃が火を吹いたのだ。
蹴られて着地した後では、到底間に合わない銃撃。あろうことか、蹴り上げられたその時に発射していた。体勢は崩したはずなのに、脅威の空間把握能力で正確無比な射撃が行われたのだ。

目で見て撃ったのではない。夜の一族特有の研ぎ澄まされた感覚を頼りに、この少女はどんな状況でも人を殺せる。


"なかなか面白かったけどここからどうするつもりなの、ウサギ"
"銃撃は一点集中、急所を外してやれば致命傷にはならない。五体満足なら逃げられる"
"ウサギには無理"


 言い切られてしまった。実際問題クリスチーナというロシアンマフィアを相手に、俺という一介の剣士では到底勝ち目がない。銃を持つプロを相手に、剣術を持たない素人では話にならなかった。
拳銃という武器は狙いが定まっている分、ポイントとしてのダメージが重視される。剣撃のような持続的なダメージは与えられず、瞬間的な攻撃力では剣の方が上だ。対等の相手であれば、の話だが。

"それは、どうかな"
"む?"
"お前の照準を外せばいいだけだ"
"クリスは、この距離で外したことないよ"

 ベットを間に挟んで、はだけたパジャマ姿のマフィアと向かい合う。クリスチーナは今、明確に教えてくれた。生きるか死ぬかの教練であれば、頭が悪かろうと肌身で覚えられる。
また同じような目に遭っても、きっとこの少女との無邪気なやり取りが生かされる時が来るだろう。


出来れば、そんな日がこないことを祈るばかりだが。


***





"クリスチーナ・ボルドィレフ。俺は――"






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艦これアーケード筐体が店舗に続々と搬入中!稼働は4/26(火)φ(..)


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2016年05月18日

「Eternal Advance Chapter 21 "I hope your day is special" Action15 漢国」予告編

FF15。今年発売ですが、シリーズ初のオープンワールド系だそうですね>挨拶





***


 仲間達が刈り取り打倒に奮起している頃、カイやメイアも彼らなりに奮戦していた。エズラより育児を任された以上、手探りであれど真剣に行わなければならない。
ドゥエロやパイウェイが医務室を留守にしていたが、幸いにもドゥエロが普段愛読している育児書が医務机の上に置かれていた。これには、二人としてホッとさせられた。
普段持ち歩いている訳ではないが、カイにはこれがドゥエロなりの気遣いのように感じられた。サプライズミッションを遂行する上で、彼なりに手助けしてくれたのだと思いたい。

この場にはいない本人に感謝しながら、カイは育児書の頁をめくっていく。

「俺が本を読んで指示するから、お前はカルーアの面倒を見てやってくれ」
「待て、どうして勝手に役割を決める。私が育児書を読めばいいだろう」

「女の赤ん坊を、男の俺が面倒見るのか。別にかまわないけど後で正直に報告するぞ、俺は」
「うっ……」

 少なくとも、ニル・ヴァーナ艦内で男達への偏見はほぼ無くなっている。とはいえ男女の垣根を完全に無くしたのではなく、男を敵視していないだけだ。
男女同盟を結んでいるからといって、男女平等が実現された訳ではない。まして年頃の男女、異性に対してはどうしても敏感になってしまう。
メジェール人であるエズラがお腹を痛めて産んだ赤ん坊を、男が育児して女が育児書を手に指示するだけというのは体裁が悪い。

メイアは世間の評判を気にする性質ではないが、仲間達の視線が気にならないほど図太い人間でもなかった。


「し、仕方ない、私が面倒を見よう。その代わり、きちんと指示を頼むぞ」
「今日俺はお前の相棒だ。共同作業といこう」
「うむ、頼もしいな」

 カイは本から顔を上げると、メイアが当然のような顔で指示を待っていた。半ば冗談のつもりで言ったことを、メイアは生真面目に頷いてくれていた。
出会い頭は共に戦うことすら拒絶していた彼女が、パイロット専門外の作業にまで共に従事している。その事を、彼女はもう不思議とも何とも思っていないようだった。
何時からこういう関係となったのか、カイには心当たりがなかった。いつの間にかこうなっていた、そうとしか言いようが無い。


***




居心地は別に悪くはないのだが、こうした親しみを感じられる関係になるとは夢にも思わなかった。






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E6の決戦支援は爆戦より彗星一二型甲みたいな爆装高い方がいいのかな?φ(..)


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2016年05月14日

「To a you side 第九楽章 英雄ポロネーズ 第七十八話」予告編

艦これは実力だけではなく、運の要素も大いにあるので手強いですな>挨拶





***


 猟兵団と傭兵団が起こした、同時誘拐事件。あの時偶然に遭遇した傭兵団の刺客を相手に、俺達は裏路地で大立ち回りを繰り広げた。俺は生身の人間だったが、妹さん達の相手は機械仕掛けの人型兵器だった。
俺は俺でプロの傭兵相手でジークリンデの助力がなければ危なかったのだが、もしも巡り合わせが悪ければ人型兵器相手に殺されていただろう。人型兵器の戦闘力は尋常ならざるものだったのだから。
幸いにも妹さん達が撃退してくれたので、彼女達の実戦経験及び敵兵器の残骸を持ち帰ってジェイルや忍に情報共有を行った。ガジェットドローンや自動人形、超戦力級兵器の専門家が、うちには控えている。


結論として月村忍は人型兵器の兵装類に通じており、ジェイル・スカリエッティは――敵兵器そのものに、心当たりがあった。


「傭兵団"マリアージュ"、そう呼ばれているみたいだね」
「……」

「この戦場で戦っている馬鹿共は全部捨て駒、傭兵団の主力はあんた達"マリアージュ"なんだろう」
「――そういう貴方は、聖王の兵器なのですね」

 カレイドウルフの警戒網を容易く突破してカリーナを誘拐した刺客、首脳会議で団長オルティア・イーグレットの護衛を務めていた女性。自動人形イレインを相手に、隙もなく立ち振る舞っている。
長身に纏う、ボディスーツ。男性のように強靭で、女性のように柔らかな身体の線に沿った戦闘スーツ。怜悧な美貌を覆うバイザーの戦士。人の姿をした機械兵器、ジェイルはマリアージュであると断言。
傭兵団の名前から推測はしていたのだろう、博士達がマリアージュに関する情報を収集してくれていた。最後に必要だったのは確証であり、誘拐事件を通じて傭兵団の主戦力が明るみとなったのだ。

その時から既にこの対決は決定されていたと言っていい。状況が許されれば出陣を命じて欲しいと、イレイン本人から希望されていた。

「先輩なのか後輩なのか知らないけれど、挨拶だけはしておいてやるよ。アタシはイレイン、あんたの言う"聖王"の兵器がこのアタシさ」
「かの聖王が、我らマリアージュと同型の人型兵器を保有していたと言うのですか」

「……その口振りからしてあんた、アタシらの"存在"を把握していたんだね」

 イレインの指摘にマリアージュではなく、遠くから聞いていた俺が自分の耳を疑った。傭兵団はローゼ達、自動人形の存在を把握されていたのか。オルティアの過剰な警戒に、若干の納得がいった。
そういえばあの首脳会議で、マリアージュが俺を意味ありげな目で見つめていた気がする。あの視線は単なる警戒ではなく、同型機を保有する俺を見定めていたのだろう。古代兵器である事に間違いはないのだから。
単純に月村家のメイドという人選でしかないのだが、俺は常日頃からノエルやファリン、ローゼやイレインの誰かとよく行動していた。脅威の戦力を持つ人型兵器を我がもの顔で歩かせていれば、警戒くらいするだろう。

ノエルとファリンはメイド、ローゼやイレインはアホの子でしかないと知ったら、彼らはどんな顔をするのか。実に厄介な誤解に、俺は頭が痛くなる思いだった。


「人の皮を被った機械兵器、治安維持活動に務めていようと我らマリアージュの目は誤魔化せない。オルティア・イーグレットは懐疑的でしたが、我らは既に確信を持っておりました。
貴方達人型兵器を軍備している白旗の当主、彼こそがこの現代に蘇った聖王陛下そのものであるのだと」



***




 違うわ、ボケ。





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2016年05月12日

「Eternal Advance Chapter 21 "I hope your day is special" Action14 経過」予告編


GW明けも仕事で喘いでおりますが、何とか代休は取れそうです_| ̄|○>挨拶





***


 メイアの誕生日サプライズパーティの為に、カイが隠密作戦に従事している事はマグノ達も知っている。メイアの誕生日を祝いたい気持ちは上司としても、個人としても当然持っている。
彼女本人が自分の誕生日を祝う気持ちがない事は本人はともかくとして、周りは不幸だと思っている。自分を祝う余裕が無いのは、人生が切羽詰っている証拠だ。
今まで一度も成功したことがないサプライズが、男たちの協力で実現できるのは素敵だ。そう思えるくらいには、男たちとの関係を築けたと言い切れるだろう。

その点を前提としても、職務である以上無条件に肯定は出来なかった。


「ユメ、お前の気持ちは我々も共感している。カイへの度が過ぎる感情もまた、お前がカイと出逢ったことによる成長の証なのだろう」
「つまらない前置きはいいから言いたいことを言いなさいよ、気持ち悪い」

「カイ本人は、どう思うだろうな」

「ますたぁーは、あの"白きアスディワル"の操縦者を祝いたいんでしょう」
「アスディワル――Asdiwal?」
「ガラクタ共と戦闘になっちゃえば、パーティの準備は台無しになっちゃう。そうなったら、パーティは中止になるよね。それはますたぁーの望みじゃない」

 ユメの言葉にマグノが不思議そうに呟くが、本人は気にせずにズケズケと言いのける。率直であるが故にユメの主張は正論であり、極論でもあった。
子供なりの素直さの表れであろうが、今この場では可愛げであるとは見ない。ブザムというマグノ海賊団副長は、公私混同は一切しない。

子供の脅迫に安々と屈する度量では、海賊なぞ務まらない。

「パーティが中止となれば、確かにカイは無念に思うだろう。だが戦力不足で仲間達に負傷者や死傷者が出れば、カイは果たしてどう思うだろうな」
「自分達の無能が原因でしょう、ますたぁーに押し付けないでよ」
「我々の力不足は認めよう。だが、我々とカイは同盟を結んでいることも考慮してもらいたい」



***




「困ったことがあれば、すぐにますたぁーに押し付ける。そうして助けられても、感謝の一つもしないじゃない!」






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2016年05月05日

「To a you side 第九楽章 英雄ポロネーズ 第七十七話」予告編

GWも休日出勤、忙しなく働いておりますφ(;..)>挨拶





***


 戦場のど真ん中、噴煙を上げる戦車に突き刺さっている白き旗。苛烈な戦場には場違いな白旗が戦風にたなびいており、血潮を上げる戦士達の脅威として戦況を延々と圧し続けている。
各局面で血と泥に塗れている戦場の中で、旗は高潔な純白で飾られている。砲弾も魔弾も着弾せず、強者達の誰もが手出し出来ない。平和の象徴は、戦火を抑圧せんと主張していた。
初めて掲げた白い旗を、誰もが皆嘲笑した。降伏の証だと馬鹿にされ、恭順の姿勢だと罵られる。悪党共は哂い、強者達は嗤い、権力者達は嘲笑い、弱者達まで笑った。ひ弱であると、神様も呵っていただろう。

聖地に生きる者達に笑われながら、彼女達は誇りを胸に騎士である事を誓った――その微笑みが、本物になることを信じて。


「聖王騎士団団長、セッテ。陛下の命を受け、貴方達を殲滅する」


 絶望と悲しみの海から生まれ出た、召喚獣。地獄の底から溢れでた巨大昆虫は群れを成して、凛々しい騎士服を着た小柄な少女の元へ押し寄せてくる。数の暴力は壮観であり、圧倒的であった。
地を鳴らし、大地に吠え立てる彼らを、セッテは無感情に見つめている。機械的でありながら、人間的な感情に燃えている少女。俺の敵であると断定したのであれば、如何なる情も向けようとはしない。
自分の能力に対する過大評価も、敵の暴力に対する過小評価もない。彼女に在るのは自分の中にある信仰心であり、敵への敬意であった。戦場に立つ以上、自分と敵の間に上下はないのだと律している。

可憐な少女には過ぎた、巨大な刃を雄々しく掲げた。


「IS発動、スローターアームズ」


 戦闘機人であるセッテの、先天固有技能。ブーメランブレードと呼ばれるセッテの固有武装、手に持っている長いブーメラン状の刃の扱いと制御を行う為の能力であると本人が申告してくれた。
本来の用途は打撃武器ではあるのだが、高速回転時は切断能力を有している。ブーメランブレードを投げて使用した際、軌道を自由に変化させる事も可能で、小さな体格の少女でも能力で自由自在に扱える。
妹さんより借りた漫画を参考に、黄金とも呼べる美しい軌跡を描いて地雷王を両断。戦闘機人である彼女だからこそ可能な、完璧な計算に基づいた投擲術。修行により、最大4本を同時制御することが可能となった。

恐るべきは、バリアブレイク性能。完璧な計算による投擲術は正確無比な機能となって、防御や幻術を無効化して敵を両断する対人殲滅戦向け能力へと進化を遂げたのである。

魔法であろうと、能力であろうと、強大な力には精密な構成が構築される。雑多な人間には不可能でも、戦闘機人であれば超精度な分析が行えて綻びを検出。完璧な投擲術により先を斬り、点を穿つのだ。
ブーメランが持つ元来の弱点である投擲についても、この能力は完璧に補足している。地雷王の大群を一直線に切り裂いたブーメランブレードは、簡易転送の技能によって手元に呼び寄せられた。
ブーメランブレードを手に取って、セッテは遠距離から伺っていた俺を見つめ返す。相当な距離があるのに容易く察していたらしい、戦場のど真ん中で最敬礼してトランシーバーを手にする。


――トランシーバー……? あれっ、俺の腰から呼び出し音が鳴っているぞ!?


『このトランシーバー、何時俺に持たせたんだ!?』
『……』
『護衛を目的に、妹さんが仕込んだ!? 何時からそれほど仲良くなったんだよ!』
『……』
『ノアの排除!? いやいや、こっちは大丈夫だから目の前に集中してくれ!』



***




"我が騎士達よ。地雷王を、殲滅せよ!"

"かしこまりました、陛下!"





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2016年04月30日

「To a you side 第九楽章 英雄ポロネーズ 第七十六話」予告編

オブリビオン、プレイ中。サブイベント、ほぼ完了。五十時間以上も楽しめた、イベントの数々でしたφ(..)>挨拶





***



 レヴィとエテルナは同じ魔力変換資質同士の決闘であったが、シュテル・ザ・デストラクターとオルティア・イーグレットは真逆の魔力変換資質を持つ両名の決闘であった。両者の属性は、相反している。
シュテル・ザ・デストラクターの魔力変換資質は「炎熱」、オルティア・イーグレットの魔力変換資質は「凍結」。同じ資質であれば勝敗を分けるのは力量、異なる資質であれば知略が優劣を定める。
真面目で物静かで礼儀正しい内面、卓越した頭脳、並外れた魔法センス、優れた戦略が要求される射撃スタイル。あまりにも似通っている二人を隔てているのは、才能と才覚が問われる魔力変換資質であった。

そうした魔力変換資質を有効活用する目的、目的に沿った理念こそが両者を競い争わせている。

「星光の殲滅者、シュテル・ザ・デストラクターさん。白旗の中で私が最初に強い興味を抱き、好感を持った人間が貴女でした」
「身元も素性も知れぬ人間に好感を抱くとは、貴女も変わった女性ですね」

 自分自身を徹底的に調べ上げられていることを前提に、シュテルは会話の糸口を切り出している。優秀な頭脳を持った者同士、不要な挨拶や確認事項を一切挟まずに探り合いが行える。
身元不明である事を自分から切り出したシュテルに対し、オルティアからの返答は優美な微笑みであった。純粋に会話を楽しみ、交流を淀みなく行えている事に心地良さを感じている。
俺のような教育が行き届いていない人間であれば、一言二言でこれほど相手に深入り出来ないだろう。優秀な者達が対面すれば、一を話すだけで十の情報を探り当てられる。

自分と同じ変わり者、そう告げられてもオルティアに不快な感情が一切宿らなかった。

「今の聖地で求められているのは純粋な力であり、素性ではありません。逆に素性が判明したところで、力無き理念であれば淘汰されるのみです」
「貴女の仰る通りです。だからこそ父上は魔龍を支配する龍姫を討伐し、見事に聖女の預言を成就なされました」

「白旗の象徴である"カイゼル・ファルベ"こそ力無き理念そのものではありませんか、シュテル・ザ・デストラクターさん」


 オルティアの指摘にシュテルは黙して語らず、遠くから耳に届いていた俺は舌打ちする。強さを主張する猟兵団とは違い、傭兵団を率いるオルティアは知識を持って訴えている。
ユーノ・スクライアが以前述べていた。カイゼル・ファルベ、虹色の魔力光は聖王の血統に頻出する現象。血統を示す証拠ではあるが、聖王の真価を発揮する希望の光ではない。
事実虹色の魔力光を知りながらも、クロノやユーノは俺が聖王ではないと断言していた。聖王家の魔力光を演出出来ても、聖王の実力は発揮出来ていない。プレセア戦でも、俺は苦戦と苦難の連続だった。

俺の魔力光は、聖王の盾とはならない。それこそが力無き理念であると、オルティアは断じた。あの女、聖王伝説について相当な知識を持っている。


「シュテルさん、貴女ほどの魔導師であれば聖王についても精通されていらっしゃるでしょう。力無き理念に縋り付く今の聖地では、正義は為されない」
「父上の尊き光に希望を見出すのは、他ならぬ民です。民は信仰を唱え、父は救いを与える。宗教国家の在るべき姿であると、私は捉えております」

「そうして民は過去の栄光に縋り付き、過去の過ちを繰り返そうとしている。王こそ神であり、絶対者であると崇め奉り、信徒は己の足で歩む事を忘れてしまう。
白旗を掲げる"聖王"陛下である彼は、昨日へと後戻りしている。民に、思い出を見せつけている。辛い今よりも、優しい過去に縋ろうとしているのです。

彼が生み出す理想の光景に、未来などありはしない」



***




”我が娘、シュテル・ザ・デストラクター。傭兵団の団長オルティア・イーグレットを、止めろ"

"お任せ下さい、父上"







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2016年04月27日

「Eternal Advance Chapter 21 "I hope your day is special" Action13 剽軽」予告編

東京出張生活も一年。GWが山場となりまして、めでたく休日出勤になりました(´;ω;`)ウッ…>挨拶





***


 ニル・ヴァーナ艦内が騒がしくなってきた最中、医務室でも赤ん坊の泣き声で大いに騒がしくなって来ていた。医務室に残されたカイやメイアが、大慌てで対応している。
母親であるエズラの相談を受けていたカイ達こそが、誰かに相談したかった。二人して赤ん坊を育てた経験など、ありはしない。敵を倒す方法しか知らない。
仲間であろうと安易には頼れない性格のメイアと、現状メイアが仲間に頼られると困るカイ。双方の嫌な利害が一致してしまい、状況は悪化していた。

仕方がないので試しにメイアがカルーアを抱っこしてみるが、赤ちゃんは泣き止めない。

「ほらほら、どうした。何がそんなに好まないんだ?」
「本当に、何に困っているのか話してくれれば一番楽なんだけどな」
「何を達観しているんだ、カイ。お前も手伝ってくれ」

「そうだな、とりあえずお前の抱っこの仕方に問題があるかもしれない。確かお袋さんはこうやって――」

 メイアと交代してカイが抱き上げてみると、ひとまずカルーアは泣き止んでくれた。好き嫌いではない証拠に、カイが相手でもカルーアは笑顔を見せない。
とはいえカイが抱いたら泣き止んだ事実には、メイアとしても腑に落ちない気分だった。抱き上げ方はあまり変わらないのに、何が違うというのだろうか。
ぎこちなさは、カイも同じだ。恐る恐るという感じで、カルーアを貴重品のように取り扱っている。抱いているというより、運んでいるイメージに近しい。

一応泣き止んでくれたが、状況はあまり改善されていない。


「どうするのだ、我々だけでは手に負えないぞ」
「お袋さんも一人、そう思い悩んでいたんだろうな」
「……うっ、それもそうだ」


 体験学習とはよく言ったものだ。親身になって相談に乗っていても、実際に体験してみなければ他人事の延長でしかないのかもしれない。
育児が大変だというのは誰でもイメージできるが、実際どう大変なのかそれこそやってみなければ分からない。今こうして、実感している。
そういった意味でも、エズラの代わりに育児を引き受けた事は有意義ではある。もっともこの経験をどう活かすべきなのか、皆目検討もつかないのだが。

思い悩むメイアの心境を理解してか、カイは不思議そうに聞いてみる。


「お前だっていずれは自分の子供を持つことになるんだ、いい経験じゃないか」
「……私が、自分の子を……?」
「何で訝しげに俺を見るんだよ。タラークはクローン生成だけど、メジェールは女が自分の腹を痛めて出産するんだろう」
「う、うむ……だがファーマとなるか、オーマとなるか、双方の合意が必要だ」
「母と父という事か。何だかややこしいな、同じ女同士なのに」

「人それぞれ、価値観が異なる。一概には決められないさ」


***





 メイアは、考えた事がなかった。自分が父となる事も――我が子を自分で産む、母親となる事も。想像したこともなかった。








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2016年04月23日

「To a you side 第九楽章 英雄ポロネーズ 第七十五話」予告編

オブリビオン、プレイ中。サブイベントが実に多彩で、モブキャラ一人一人クセがあって生々しい人間ドラマがあります(;´・ω・`)+>挨拶





***


 魔力変換資質とは、魔力を自然に直接的な物理エネルギーに変換出来る能力である。自身で生成した魔力エネルギーを体内で物理エネルギーへ変換出来るスキル、極めて有効で重宝される魔導の才覚である。
レヴィ・ザ・スラッシャーの魔力変換資質は群を抜いており、魔法としての制御が必要な変換を造作もなく行える。意図的に変換を行う際の効率も非常に高く、ルーテシアを代表するプロの魔導師達を驚かせた。
自身の魔法に変換した物理エネルギーを付与する事も容易く行えるレヴィの魔導変換資質は、"電気"。電気のエネルギー効率は世界最高水準に達しており、有用なエネルギーである事は今更言うまでもない。

ただし同じ魔力変換資質を持った魔導師、特に猟兵というプロの戦争屋が相手だと必ずしも有利とは言えない。


「ちょこまか逃げまわっても無駄よ、"ジャジメントボルト"」
「縫わっ!? コラー、離せオバハン!」
「……そのままジッとしていなさい、永遠にその生意気な口を黙らせてあげる」
 
 魔導技術の一環であるバインドは、猟兵や傭兵の間では封技と呼ばれている。身体の束縛を技の封印とまで言い切るのは、彼らの敵の多くがプロである事に起因しているのだろう。
敵の動きを単純に縛るのではなく、プロの食い扶持である殺し技を封殺する。血生臭い理念に基づいた束縛技術が封技として取り扱われるようになった。猟兵ともなれば、封技の技術は卓越している。
高速移動を行っていたレヴィを容易く拘束したエテルナの魔導技術は、超一流。紅鴉猟兵団の副団長であるエテルナ・ランティスが相手では、魔導の競い合いでは明らかに分が悪い。

「いくぞぉ……ずっきゅーんっ!」
「あ、アタシの封技で力づくで破った!?」

 ――もっともうちの子の場合、魔導技術など物ともしない力を持っている。戦争屋の常識でさえ語れない非常識な力には、親である俺でも驚かされてばかりなのだ。敵には気の毒というしかない。
ちびっこい体格なので意外に思われるかもしれないが、レヴィは白旗の中で一番の怪力である。力自慢の守護獣ザフィーラ相手に、過去腕相撲を挑んで勝った戦績を持っているのだ。彼なりに後で落ち込んでいた。
猟兵の封技、超一流の魔導師が構築したバインドであっても、力で引き千切る事が出来る。超加速が行えるレヴィは速さだけではなく、力自慢の魔導師でもあるのだ。伊達にヒーローを目指してはいない。

ワインレッドなツリ目を喜びに輝かせ、青いマントを翻して、デバイスのバルニフィカスを振るう。

「今度はボクのターン、"光翼斬"」
「アンタにあげる時間はないわよ、"スパークアロー"」

 デバイスのバルニフィカスより勢いよく魔力刃を回転させて飛ばすと、エテルナは雷で錬成した矢を放って迎撃。文字通り火花を飛び散らして、両者の魔法が激突する。
拮抗する魔法の激突を黙って見ているのは、ヒーローモノの世界の中でしかない。魔法と同時に急降下してレヴィが刃を振り上げると、エテルナはブレードで殺意の刃を切り払う。
ブレードは刀より剣に近いが、騎士剣より薄くて細長い形状をした刃である。レヴィの獲物が大鎌である事を考えると見劣りするが、斬り合いにおいてはむしろ拮抗していた。

圧倒的な魔力を持って叩き付けるレヴィを相手に、エテルナは豊富かつ残酷な戦争経験を持って見事に捌いている。

「"ラグナヴォルテクス"、この距離なら回避しようがないわよ!」
「ヒーローは逃げたりしないもんね、"雷光輪・追の太刀"!」

 法術により誕生したレヴィにエテルナ程の実戦経験は望めないが、あの子には無類の戦闘勘を持っている。回避不能と天性で勘付いたレヴィは、防御を上回る攻撃を持って対処する。
ロックオン系の範囲攻撃魔法、ラグナヴォルテクス。雷光で攻撃範囲内の目標を拘束、標的の動きを確実に止めた上で雷撃により一斉攻撃。無慈悲というしかない、残虐な魔導技。倒すのではなく、殺す為の技。
高速詠唱魔法によって雷を発生させた範囲攻撃を、レヴィはデバイスの刀身に蓄積させた上で特攻。あろうことか自分自身を雷光を伴った強力な砲撃として、エテルナに突撃したのだ。

駆け抜けるレヴィの背中に雷光が次々と飛び散るが、特攻をかけられたエテルナも強烈な雷撃で地面へ跳ね飛ばされた。


***



"我が娘、レヴィ・ザ・スラッシャー。猟兵団の副団長エテルナ・ランティスを、止めろ"

"りょーかい、パパ!"





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2016年04月21日

「Eternal Advance Chapter 21 "I hope your day is special" Action12 怪事」予告編

オブリビオン、プレイ中。基本単独プレイなので、サブイベントで同行人がいる場合死なせないようにするのが大変(;´・ω・`)+>挨拶





***


 幸運だったのは、会議室で悩み相談を行っていたブザムが丁度良いタイミングでメインブリッジへ戻って来てくれた事だ。まだカイ達と一緒だったら、連絡が取れなかった。
注意してくれたユメを連れてブリッジへ急行したパルフェ達は、副長に報告。報告を受けたブザムはお頭を急ぎ連絡を行い、ブリッジクルーにガス星雲の索敵を行わせた。
基本的に人間に非協力的なユメだが、サプライズ任務中であるカイの邪魔になるとあっては渋々協力するしかない。少女が指摘する座標位置は正確で、すぐに割り出すことが出来た。

進路先のガス星雲に潜んでいた刈り取り艦隊、マグノ海賊団を確実に標的とする規模戦力が揃えられている。

「ユメちゃんの言う通り、敵が潜んでいます。ガスーンの中に隠れていました」

「――故郷へ急ぐ我々はガス星雲を回避する針路を取っておりました」
「そこを狙い撃ちするつもりだったようですね……嬢ちゃん、お手柄だよ」
「ますたぁーの為であってアンタらの為じゃないもん、べーだ」

「何を言っているんだい、嬢ちゃん」
「……? 何よ」
「ナビゲートをする事が、お前さんの仕事だろう。よくやってくれてるよ、カイもきっと喜ぶよ」
「そ、そうかな……? うふふ、まあこれからも何かあったらナビゲートくらいしてあげる」

 口を尖らせながらも鼻歌を歌うユメを、この場に居る誰もが微笑ましく見守っている。態度も口も悪いのだが、良くも悪くも素直な娘だった。
身元不明の立体映像、意志のある悪夢の具現化。何者なのか不明だが、少なくともカイが味方でいる限りはこの子もまた敵対しない。
無邪気な悪意を持っているが、教育次第で幾らでも変われる。無邪気な善意で接するカルーアがいい変化を生んでくれている、将来が楽しみだった。

だからこそ、ここで殺される訳にはいかない。


***






「我々の針路を阻むのではなく、通過する過程で包囲する陣形を取るつもりのようです」
「母艦を略奪したカイの作戦を明らかに流用していますね」
「例の"スーパーヴァンドレッド"に関する情報はウイルスで遮断出来ても、感染以前については情報漏れを防ぎようがなかったからね」






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2016年04月16日

「To a you side 第九楽章 英雄ポロネーズ 第七十三話」予告編

オブリビオン、プレイ中。サブイベントなのに、聖戦士装備で魔王を倒すイベント内容にビビる(;´・ω・`)+>挨拶





***


 あの女が俺と同質であるというのであれば、もう少し熟慮するべきだった。俺や魔女のような人間は、他人を顧みない。全ては自分の為であり、自分のためであれば何であろうと利用する。
俺は剣を手に取り、魔女は魔法を選んだ。俺には才能がなく、魔女には才能があった。違いは単純にそれだけであり、区別すべき点ではない。性別でさえも分かち難く、俺達は結び付いていた。
考えてみるといい。俺は海鳴へ流れ着いた当初、相手が誰であろうと認識もしなかった。敵であれば斬り、敵でなければどうでもいい。優しくされても、気配りされても、見向きもしない。
どれほどの人物に名乗られようと、覚えようともしない。そう、俺達は自分が全て。自己完結する存在であり、自分以外の全てを踏み台にして我が人生を歩む孤独の人間。


余程の理由、余程の価値――余程の強さが無ければ、名前なんて覚えないのだ。


「わたしを殺せるのはいつだって、"わたし"だけだもの――『ガリュー』」


 愛娘と思い込んでいるディアーチェと戯れる魔女は、召喚虫であるガリューに命令。召喚だと勝手に思い込んでいたのだが、俺は自分の浅はかさに舌打ちしてしまう。余程、他人に染まっていたらしい。
ディアーチェに襲いかかるガリューを撃墜したのは、ルーテシア・アルピーノ。紫系ドレスにコーディネートされた少女を装っていても、本質は時空管理局捜査官。凶暴な魔獣を見事に足止めしたかに見えた。
ところが、ルーテシアと向き合った瞬間にガリューは咆哮。支配主に一言名を告げられただけで、体細胞分裂を起こして変型。ルーテシアの美しき目は鋭く細まって、魔法陣を展開。プロである彼女もまた、察した。


魔女の支配下に置かれていたガリューが、名を許されて『解放』――支配からの解放ではなく、理性から解放されてしまったのだ。


「■■■――!!」
「"プロテクション"」

 皮下組織が変異して、魔獣を包み込んでいた魔女の魔力が圧縮。強烈な魔力を供給された骨格は異常な変形を見せて、凶暴な魔竜を模した凶暴な手足をルーテシアに叩き付ける。
かつて俺を一度は殺した使い魔アルフの狂拳が見劣りしてしまう、魔獣の連打。素早く、強く、雑多で、凶悪。殺害ではなく、破壊を目的とした攻撃。華奢な少女には極めて残酷な攻撃は悲惨の一言だった。
各局面で壮絶な戦いが繰り広げられているが、これほど原始的で野蛮な戦闘はない。人を壊すのに魔法は不要と言わんばかりに、己の肉体のみ酷使して少女の全てを削り取っていく。

暴悪の全てに晒されて、ルーテシアは壮絶に微笑んだ。


「お馬鹿さんね、魔女。この子は理性的な獣人、知性があってこその強さよ」


 あろう事か、左手一本で防御膜を一点集中させて連続攻撃を防いでいる。バリア系の防御魔法、ルーテシアほどの力量となれば一点集中させれば要塞の壁に匹敵する耐久力を持たせる事が可能なのか。
特に打撃系の攻撃には強いのか、どれほど強固な手足を叩き付けられても傷一つ付かない。骨も砕かんと一心不乱に打ち込まれているのだが、ルーテシアの防御には揺るぎはない。
利点ばかりに見えるが、防御系の魔法には一貫して短所もある。攻撃と防御は、同時に行えない。相手の消耗を待つ長期戦は試合では有効な戦術だが、戦争では褒められた戦術ではない。

俺のようなド素人でも認識している事実を、プロの捜査官が把握していない道理はない。


「さて、問題です。"これ"、なーんだ?」
「っ――!?」

 理性から解放されて、本能で動く魔獣。弱肉強食の自然世界で生きる魔獣だからこそ、警戒心もまた強い。本能レベルで状況把握を行って、呼吸する間もなかった連続攻撃が止まってしまう。
両手を広げたルーテシア、少女と魔獣の周囲を漆黒のダガーが包囲している。遠くから観察していた俺でも気付けなかった、早業。漆黒の殺意に染まったダガーが大量に展開されている。
魔獣への報復を示すかのように、隙間一つなく完璧に包囲。気付いたその時には、逃げ場は残されていない。術者が一流の魔導師である以上、近距離であろうとルーテシアに被弾することはない。


「正解者にはもれなく簡易誘導性能に加えて、着弾爆裂の効果までつけちゃいます――"トーデス・ドルヒ"」
「■■■■■■――!」


***







"同胞、ルーテシア・アルピーノ。ガリューは、貴女にお任せする"

"信頼には応える"






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くつろぐ集積地棲姫の描き下ろしピンナップあり!「娘TYPE5月号」φ(..)


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2016年04月14日

「Eternal Advance Chapter 21 "I hope your day is special" Action11 安志」予告編

ジャンヌオルタちゃん、育成中。病んでるけど可愛いという、オルタの鑑φ(..)>挨拶





***



「……ふぇぇ」
「……」
「……」

「……ふぇぇぇぇぇ!」
「一体、どうしたものか」
「悩んでいる場合か!? 泣き始めているぞ!」


 医務室。融合戦艦ニル・ヴァーナ内で唯一、男性が管理している部署。船医を務めるドゥエロの職場で、ベビーベットを前にカイとメイアが二人揃って頭を抱えていた。
事の経緯はわざわざ振り返るまでもなかった。育児に悩んでいたエズラの相談を受けて、会議室に篭もる事数時間。一人で悩まず、皆で悩みを分かち合って解決しようと決めたのだ。
分かち合う悩みとは何か、当然カルーアの育児である。ではカルーアの育児問題を、どうやって分かり合えばいいのか。これもまた、副長であるブザムが解決方法を提示してくれた。
エズラがカルーアの育児に悩んでいるのであれば、手伝ってあげればいい。至極もっともな意見を受けて、育児会議は終了。カイとメイアも賛同してしまい――


こうして医務室で、育児を手伝う事となった。


「俺やミスティはカルーアの出産から手伝っているけど、赤ん坊の世話は本当に大変だぞ」
「だからこそエズラさん一人で抱え込まず、我々も手伝おうと申し出たのだ。建設的な提案であり、その点は申し分ない」
「だったらいいじゃないか、何が問題なんだ」


***






「何故『我々で引き受ける』と軽はずみに引き受けたのだ!? 母親であるエズラさんと一緒にやればよかったじゃないか!」






神姫プロジェクト、始めてみました。グラブルに似た仕様でなかなか面白いφ(..)


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2016年04月02日

「To a you side 第九楽章 英雄ポロネーズ 第七十二話」予告編

4月に入って、花粉症が悪化。鼻水とくしゃみが酷い(;´・ω・`)+>挨拶





***


 白旗で危険視されているのは間違いなくあの子、ユーリ・エーベルヴァインだろう。聖女カリム・グラシアが刻んだ予言、聖王オリヴィエの怨霊が居なければ俺でもあの子こそ神の申し子だと確信したかもしれない。
我らは闇統べし者、"紫天の一族"。聖地で名乗りを上げたあの日、ベルカ自治領を震撼させた少女。沈む事なき黒い太陽が聖地の頭上で燃え上がり、誰もが皆平伏させられてしまったのだ。俺の仲間達も、含めて。
プロの捜査官であるルーテシアが腰を抜かし、ミヤやアギトが必死で逃げろと叫んだ。アイゼンを握るヴィータの手は冷や汗に濡れて、ザフィーラは大型に戻って、震える足を隠すように必死で踏ん張っていた。

誰が、勝てるというのか。誰が、超えられるというのか。存在そのものが、神であった。存在そのものが、絶望であった。


「計測確認。アンチ・マギリング・フィールド、正常に出力しております」
「……改良型AMF高出力兵器を用いても、微動だにもしないのね。例のオークションで団長自ら高値で購入された魔導機材を用いているのに!」

 傭兵団マリアージュ。生粋の戦争屋である猟兵団との違いは、高度な戦略と高価な戦術を用いた多彩な戦い方だろう。豊富な資金力と高度な技術力を用いて、多角的に敵目標を攻撃している。
ノエル・綺堂・エーアリヒカイトが売り出されたオークションでは、合法的なロストロギア関連の魔導器や機材も競りに出されていたのを覚えている。買い手は覚えていないが、彼らも参戦したようだ。
アンチ・マギリング・フィールドを用いた戦術は、魔導師相手には極めて有効だ。魔力結合・魔力効果発生を無効にするAMFは、AAAランク以上のジャマーフィールド。博士もこの技術を応用して、魔女対策を行った。
このフィールド内では攻撃魔法だけではなく移動や機動、飛行や防御に関する魔法まで妨害される。AMF濃度が増せば増すほどに、魔力の結合が解除されるまでの時間が短縮されてしまう。

ロストロギア級となればAAAランクどころか、Sランク以上の魔導師でも無力化されてしまうかもしれない。魔龍バハムートごと包囲されてしまえば、通常の魔導師であれば為す術もない。



「永遠結晶エグザミア、起動」



***







"我が娘、ユーリ・エーベルヴァイン。魔龍を死守せよ"

"分かりました、お父さん"










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2016年03月30日

「Eternal Advance Chapter 21 "I hope your day is special" Action10 派手」予告編

オブリビオン、プレイ中。悪の陰謀を挫くべく潜入捜査が必要なのに、潜入すると容赦なく役人が飛んで来る治安の良さ(;´・ω・`)+>挨拶





***


 思いがけず長い時間、カイとメイアは作戦会議に詰めている。単純な戦略会議だけではなく、もしかすると込み入った話を行っているのかもしれない。
規律に厳しい副長のブザムも一緒に作戦会議室に籠もっているのは、予想外の収穫だった。おかげでサプライズパーティの準備は滞り無く進められている。

会場の準備はほとんど完成しており、料理や飾り付けの下準備も程なくして完成。ここまで何の問題もなく進められたのは、今まで初めてと言い切れるだろう。

そもそもの話、メイアの誕生日サプライズパーティは一度たりとも行われた事がない。それだけに、クルー総員が揃ってパーティの参加を表明している。
当然当日は仕事なんて絶対にしたくない為、席を外しても職務に影響がないように励んでいる。交代要員のローテーションも完璧、誰からも不満がないように心がけている。
勿論メイアが疑念を抱かないようにパーティの準備と同時に、ニル・ヴァーナの改装も必死で行っている。修繕はほぼ完了、改装工事も皆汗水流して頑張っている。

母艦の運用管理も順調――ここまで好調だと逆に不安となるのが、人間というものだ。

「救助システムのテスト準備もオッケー、資材物資の点検も問題ない。後は何か問題とかないかな、ドクター」
「確認した、全て問題ない」

 カイとメイア、二人のリーダー格と呼べる人間が不在の今、カイの代わりにドゥエロが、メイアの代わりにパルフェが作戦監督代理を務めている。
もう一人の男であるバートも異星人チームを引き連れて、広いニル・ヴァーナを走り回って肉体労働に明け暮れている。
子供達の明るさにクルー達も元気付けられており、サプライズパーティを盛り上げようとする気配は高まるばかりだ。全てが順調に進んでいる。



***





なのに、不安が消えない。何か肝心な事を見落としている気がするのだが、何なのか分からない。








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2016年03月26日

「To a you side 第九楽章 英雄ポロネーズ 第七十一話」予告編

オブリビオン、プレイ開始。Falloutシリーズと違って第三者視点がないのか、ちょっと辛いけど慣れてくるかな(;´・ω・`)+>挨拶





***


 紅鴉猟兵団の団員であるノア・コンチェルトへ追われながら、俺は魔龍バハムートを中心とした苛烈な戦場を観察。戦場の各局面を出来得る限り把握して、いざという時の指揮と決断を行えるように務める。
この戦場で自分に出来る事は限られている。情けない話、この戦場で一番数の多い一般兵が相手でも悪戦苦闘するだろう。心身に刻まれた負傷を除いても、傭兵や猟兵を相手に素人が安々と勝てる筈がない。
戦争への出撃は仲間達一人一人が決断した事、今更その覚悟を疑う真似はしない。自分や仲間の生死も含めて、彼らは一人一人責任を持って挑んでいる。彼らの安否を憂うのは失礼に当たる。命を預けているのだ。


「仲間の心配なんて余裕だね」
「心配を余裕と捉えるのか。面白い視点だが、俺には当て嵌まらない」
「どういう事?」

「余裕が無いから、心配しているんだ――その点を理解しない限り俺とお前の差は埋まらないよ、ノア・コンチェルト」

 信頼はしているが、だからといって責任を放棄したりはしない。彼女達の実力を信じながら、緊急事態に備えて一部始終を逃さずに見渡す。



***






彼らの背中を守る事が、俺の今の仕事だ。







今週末実装される新装備と改修装備って何だろう


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