2016年09月08日

「Eternal Advance Chapter 21 "I hope your day is special" Action23 錦織」予告編

プリヤコラボイベント、開幕。皆さんのガチャ成果はいかがでしたか?>挨拶





***


 考えてみれば、当たり前だった。廃棄が決定された脱出ポットに、わざわざ酸素を供給しておく必要は全く無いのだ。
普段当たり前のように空調の恩恵に預かっているが、宇宙空間にいる以上酸素も有限である。ペークシス・プラグマの空調変換によって、通常の生活が保たれているだけだ。
だからこそ、パルフェ達機関チームは日々ペークシスの働きに一喜一憂している。万が一停止すれば空調が止まり、窒息してすぐに死んでしまうからだ。

人間色々な死に方があるが、窒息死は相当苦しい死に方である。歴戦のパイロットでも恐怖を感じる、死に方であろう。

「ポット内の酸素が、もうすぐ尽きる。決断が必要だ」
「大人二人に、赤ん坊一人。お前の話だと、この人数では数分しか持たないんだったな」
「残念ながら、救助を待つ時間はない」


 酸素が無くなると分かって二人は呼吸を控えているが、無駄な足掻きでしかないのも分かっている。焼け石に水どころの話ではない。
分単位どころか、秒単位しか時間を稼げない。稼いだ所で、救助はとても間に合わない。無駄な努力でしかなかった。
それでも二人が努力を怠らないのは、そうした無駄な足掻きによって今まで生き延びてきたからだ。


本能レベルで刻まれた生存への執念が、簡単に諦めることを許さない。


***







「我々全員、助かる術はない。ならば、お前やカルーアを犠牲にしてまで私が生きる理由もない」
「……捨て鉢になっている訳ではなさそうだな」
「生憎だが、自暴自棄にもなっていない。本当に、どうしようもないんだ」









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また秋刀魚か_| ̄|○

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2016年09月03日

「To a you side 第九楽章 英雄ポロネーズ 第九十四話」予告編

日々、お仕事に追われております(;´・ω・`)>挨拶





***


 決めるのにこれほど多くの時間を費やしたというのに、決まってしまえばあっと言う間だった。聖王教会から大々的に護衛の名が発表されて、聖女本人からローゼに栄光の冠が与えられた。
白いロウソクの冠を被り、同じ扮装をしたシスター達と一緒に行進。このロウソクは生命を奪うことを拒む、火の象徴。平和への祈願として、ベルカ自治領の美しき情景を灯す。
闇の中から光が現れるこの儀式では、ロウソクが点される事で全ての電灯が消されている。荘厳なる儀式は歓喜と共に彩られ、平和を喜ぶ人々の祈りで満たされていた。
事前に俺から人々に広く伝えていた事もあって、聖女に選ばれた救世主の存在は華やかに迎えられていた。とはいえ予言の成就と聖王の降臨を告げる教会に抜かりはなく、教会の絶頂期を示していた。

あわよくば歩めていた栄光の道を自ら降り、英雄の座を拒否した事で自分に与えられたのは自由ではなく、安堵だった。有頂天でも落胆でもなく、自然に脇道から見送れていた。

名誉に興味が無いといえば嘘になる。昔から侍が剣を取って望んだのは、立身出世だ。天下なんぞと大層にほざいていた自分だって、結局は目の前の栄光に憧れていたのだ。
人を斬って強くなり、強くなることで人から認められている。それでいて人を望まず、自分で在り続けて、天下の極みに達する。"聖王"という冠があれば、天下無双を名乗れていただろう。
自分の夢を、あろうことか他人に譲ってしまった。挙句の果てに剣は一度捨ててしまい、主人公を席から見つめる観客に成り下がっている。大勢に混じった凡人でしなかった。


自分の夢を自らの口で語ったことのある少女が、寄り添うように告げた。


「もう二度とない機会を、自分で捨ててしまったわね」
「……」

「"聖王"陛下であれば、堂々と民の前で天下人を名乗れた。権威は失墜していないけれど、人を望んだあんたにもう道はない」

 アリサが述べる客観性は、多くの人達の認識そのものだ。祈りを捨てずとも信仰を失えば、人は神を必要としなくなる。神は人に寄り添うことで、人間となって俗世へ下る。
信徒達は今も自分を"聖王"と認識している。多くの民は自分を陛下と崇め、慕ってくれている。さりとて天下とは名乗るべき機会を失えば、没落は必然だった。
象徴であり続けようと、崇拝の対象でしかないのであれば偶像と変わらない。信仰の拠り所となろうと、王であることは最早変わらない。あの席こそ、勝者の証だったのだから。

かつて廃墟で幽霊に語った天下への夢、栄光の座を用意してくれたのは人となったこの少女だというのに。


「ディアーチェを守るために、俺は自分から剣を捨てた」
「……あんたが自分から、剣を捨てたんだ」

「あの時、大勢は決した。剣より望むものがあるというのであれば、剣による出世など到底望めないと悟ったんだよ」

 元よりローゼを護衛とする為であったとしても、何の言い訳にもならない。戦場で自らの命が脅かされたのに、俺は自分よりも誰かを守るために剣を捨てた。
才能がないとか、自分自身が弱い事など問題じゃないほどに、決定的な理由となったのだ。この先自分の人生がどれほど長くとも、今この瞬間を掴めないようでは駄目だろう。
どれほど強くなったとしても、栄光とは簡単に手に入れられるものではない。魔龍が討伐され、神を制した以上、敵はいなくなってしまった。同じ機会は二度と巡ってこない。


それでも俺は、安堵していた。


***






「アリサ、俺は家に帰るよ」







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2016年08月27日

「To a you side 第九楽章 英雄ポロネーズ 第九十三話」予告編

テイルズ新作、以前が不評なだけに慎重に様子見(´・ω・`)>挨拶





***




 聖地に予言が刻まれてから、長らく空席となっていた聖女様の護衛。不在である事実がこの地で起きた戦乱の火種となり、聖王様を尊ぶ信徒達の心を苦しめる結果となってしまった。
聖王様を祀る聖王教会はこの事実に胸を痛め、平和が訪れた今こそ聖地を守る守護者が必要であると断じた。聖女を守り、聖地を護る守護者とは、ベルカ自治領を救った英雄にこそ相応しい。
人々に異論はなく、信徒達は喝采を上げた。子供達は祝福し、大人達は歓喜で出迎えた。神が不在だった教会、守護者が不在だった聖地、護衛が不在だった聖女。救うのは、英雄に他ならない。

誰もが受け入れた真実に対し、他ならぬ本人が異を唱えた。


「星の子供たちよ、あなた達に祝福は与えられている。

私は剣を取る者、私は剣を振るう者、私は剣を掲げる者。争いを憎み、争いを恐れ、争いを終わらせる者である。
そして今、戦いは終わった。戦争は終わり、戦乱は収まり、戦場は浄められた。古代ベルカ戦争が終結を迎えた時、聖王も舞台から降りた。悪鬼羅刹の血に濡れた剣で、人の生活を汚してはならない。

愚かな歴史は繰り返してはならないが、先人の刻んだ軌跡を後人が踏み躙ってはならないのだ――



***






私の役目は、終わった







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2016年08月20日

「To a you side 第九楽章 英雄ポロネーズ 第九十二話」予告編

PS4を今買うべきか、それとも10月の新型を待つべきか(´・ω・`)>挨拶





***



 すったもんだあったけれど、脱落者も出ずにここまでやって来れた事を嬉しく思う。白い旗を掲げた当初は幸福の証だと嗤われたのだが、今では聖地の平和な空を真っ白に靡かせている。
身内の集まりでしかなかった集団も聖地全体を守る治安維持組織へと発展して、ベルカ自治領全体に大きな影響力を与えている。戦乱も何とか収まって、心の平和へ辿り着こうとしていた。
人間関係に完璧はないが、進展は起こり得る。組織の立ち上げから今日まで支えてくれた人達を集め、感謝の礼と共に彼らへの信頼に応えるべく今こそ分かり合おうと思う。

特段、気負うべき事ではない。重大発表でも何でもなく、自分自身について彼らに語っただけである。常に誰かに助けられて生きていた、自分の物語について。

組織を纏める長である以上、私的感情による告白は不要である。今まで彼らと共有していた情報も含めて、自分の道程を語ったのだ。剣士であるのならば、客観的に見るのは難しくない。
他人を斬る以上、自分も着られる覚悟を常日頃持たなければならない。自分自身を主観としていては、この家業は務まらない。必ず我が身可愛さに、他人を斬れなくなってしまうからだ。
話してみて分かったが、俺は自分が思っていたよりもずっと彼らに心を開いていたようだ。目新しい事は対してなく、彼らからも驚きは少なかった。興味ではなく、真摯に話を聞いてくれた。
他人の事情に関わる事は話せなかったが、彼らも聞き出そうとはしなかった。自分などよりずっと多くの人間と関係を持っている彼らだ、その点は重々承知の上なのだろう。


語り終えた時には自分も他人もなく、白旗という組織が情報を起点に一つとなっていた。隠し事が失くなったのであれば、今こそ一致団結できる。




***




「話を聞いてみて改めて思ったのだが」
「はい、何でしょう」

「組織全体の問題は概ね解決に向かっているが、君個人の問題は殆ど何も解決していないじゃないか」






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2016年08月16日

夏休み記念小説について

申し訳ない、抜けておりました(´・ω・`)>挨拶



※リョウさん、FGOの夏イベやってて思ったんですが、
そういえばリョウさんの短編って夏が舞台の物がないですよね。
もしよかったらですが、まだ専属短編がないオリジナル登場人物の水着短編とか書いてほしいかなーとw 
聖地編でいうとプレセアとか水着のイラストがあって丁度いいかもw 

もちろんあくまでお願いですので、リョウさんの考えにお任せしますw 



そういえば、夏はいつも夏コミとか関東旅行に出掛けていて、
夏季休暇の前後はバタバタしていて、特に夏の短編を書いたことがなかったですね。
拍手が漏れたお詫びもありますし、一度挑戦してみることにしますね。

思い付きなのでさほど分量は書けそうにないですが、水着イベントのようなノリで書いてみようと思いますφ(..)





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2016年08月13日

「To a you side 第九楽章 英雄ポロネーズ 第九十一話」予告編

夏コミは、仕事で一般参戦できなくなりました。欲しいのがあるのに(´;ω;`)ウッ…>挨拶





***


「――それで、どうするつもりなの?」


「口封じするしかないな」
「お任せ下さい、剣士さん」
「すずかはとりあえず良介第一に考えるのはやめて。素直に事情を話せばいいじゃない」
「風俗の女に秘密を喋る恐ろしさを知らんのか、アリサ」
「アタシが知ってたら怖いわ!」
「アイゼンでドタマぶっ飛ばせば、記憶の一つや二つ消えるだろう」
「……下手をすると頭が壊れてしまうぞ、ヴィ――いや、のろうさよ」
「いえ、多少手荒な行為に及ぶのもやむを得ません。父上の秘め事を知る人間は、私一人でいいのですから」
「馬鹿を言うな、シュテル。我が父の全てを受け継ぐのは我だと決まっておる」
「ぶー、ずるい。ボクだってパパの事をいっぱい知りたい!」
「は、話がそれていますよ皆。お父さんの事を知られたのですから、ひとまず隔離しておきましょう」
「おー!」
「ナハトちゃんが感心してしまっていますから、変なことを言うのはやめてあげてくださいです!?」
「だいたいこの馬鹿が迂闊にもベラベラ喋るから悪いんじゃねえか。口の軽さをまず責めろよ」
「ミヤちゃんも、アギトちゃんも落ち着いて!? 私がウッカリ聞いてしまったのが悪いのですから」
「……ごめんなさい」
「まあまあ、那美も久遠もそんなに落ち込まないで。私が記憶を消せば問題解決でしょう」
「……忍お嬢様、あまり公の場で軽はずみな行為はいかがなものかと」
「うう、正義の味方としてこっそり逃がすべきか、良介様の正義を語って説得するべきか、悩みますね」
「記憶操作自体はさほど難しいことではないよ。今は重要な時期だ、この際徹底的な洗脳を行うのも手だ」
「博士がお望みであれば、一度中止としていた例の洗脳技術研究を再開いたしましょう」
「あら、面白いわね。文字通り、この子を陛下の淫らな"娼婦"ちゃんに仕上げてあげましょうか、うふふふふ」



***





「ただ今帰りま――女性を縛り上げて何をやっているのですか、あなた達!?」
「げっ、役人の手入れが入ったぞ!? 全員、撤収!」






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2016年08月12日

魔法少女リリカルなのはStrikerS対談 −2016年夏コミ編−

本人はお仕事で参加できませんけどね(´;ω;`)ウッ…>挨拶



※この日記は【魔法少女リリカルなのは】のネタバレが含まれています。
読まれる方は、くれぐれも御注意を。

【魔法少女リリカルなのは】シリーズについて御意見、御感想あれば聞かせて下さい。















ミヤ「今年もまた、暑い夏がやって来ましたよ!」

良介「デバイスは熱中症とかにかからないのか?」

アギト「アタシはともかく、この馬鹿はオーバーヒートでもしてくれればいいのに」

ミヤ「何ですか、二人揃ってその顔は! 夏バテにはまだ早いですよ!」

良介「夏真っ盛りじゃねえか」

ミヤ「ふふふ、コミケの日が近づくにつれてミヤの心も暑く燃え盛っていますよ!」

アギト「何でテンションが高いのか、意味分からねえ……夏も特に出展はないぞ」


ミヤ「しかし、新作が発表されました!」


良介「はやてには全然関係ないけどな」

ミヤ「( °▽°)=◯)`ν°)・;'.、」

良介「爽やかに一喝!?)`ν°)・;'.、」

アギト「まだ放映されていないのだから尚の事、勇み足じゃねえか」

ミヤ「ちっちっち、生粋のファンだからこそ放映前から盛り上がるのですよ」

良介「出展がないからお布施も出来ないぞ」


ミヤ「そこでコスプレですよ」


良介「キャンペーンガール!?」

アギト「販売の手先になってやがる!?」

ミヤ「企業ベースに出向いて、宣伝のビラを100万枚配るのです!」

良介「違反だからな、それ」



 

〜終〜




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2016年08月05日

「To a you side 第九楽章 英雄ポロネーズ 第九十話」予告編

来週の夏コミは、仕事で一般参戦できなくなりました(´;ω;`)ウッ…>挨拶





***


 医療環境が良かったのか、医療メンバーが良かったのか、その両方か。久しぶりに何事もない穏やかな療養期間を過ごし、心身共に回復して何とか早期退院する事が出来た。手を、除いて。
食い千切られた手は接合してリハビリに励み、驚異的な回復力でお箸を使えるくらいには治っている。これだけでも奇跡的であり、剣を手にする事を望むのは高望みというものだろう。
いずれにしても敵戦力はほぼ討伐されており、今後の戦いは剣を持たない戦いとなる。そういう意味では、手を使えないのは逆に幸運だったかもしれない。剣に思い煩っている暇はない。

ドクターヘリによる搬送で入院したのだが、帰りもヘリに乗って派手に聖地へ上陸する訳にはいかない。迎えは確かに寄越してくれたが、目立たない車だった。


「……いや、確かにカモフラージュには最適な車だけどよ」
「えへへ、お迎えに上がりましたよお客様」


 歓迎の旗を持って迎えに来てくれたのは、宿アグスタの女将マイア・アルメーラだった。ホテルの支配人にまで出世した筈なのだが、相変わらずのオンボロ観光バスである。
まさか"聖王"陛下が観光バスに乗って聖地へ帰還するとは、夢にも思うまい。見事なカモフラージュと言えるのだが、支配人兼運転手のマイアがいつもの仕事着だと天然ではないかと疑ってしまう。
退院が決まって、アリサは仕事の為聖地へ先に戻っている。護衛の妹さんを一人連れて、俺は一応礼を言ってバスへ乗り込んだ。ボロい点を除けば、内装は一応綺麗である。

念の為聞いてみると、案の定自分で毎日手入れを行っているようだ。いい加減、人を使う事を支配人として覚えてもらいたい。


「聖地の皆さん、お客様のお帰りを今か今かとお待ちかねですので、窓には気をつけて下さいね。万が一見つかってしまうと、囲まれてしまいます」
「……誰の話をしているのか、実感が無いな」
「夢を叶えても、夢を見ていた自分を忘れられないものですね。本当はセレナさんがお迎えに上がる予定だったのですが、わたしが無理言ってお願いしたんです。
"聖王"陛下だとお聞きして恐れ多くもあったのですが、お客様を見て何だか少し安心しました。あっ、決して悪い意味ではないんですよ」

「ああ、言いたいことは分かるよ」

 むしろ、逆だった。異世界へ来て次元そのものが違う強者達と戦うと、昔の自分が蘇ってくるようだった。憧れていた剣士となるべく、敵を斬るべく戦いに専念した。
夢を叶えるべく突き詰めてしまうと、やがて人は原点へと戻るのかもしれない。叶えようとしている夢とは、夢に憧れていた自分が思い浮かべた理想だ。それはすなわち、原点回帰となる。
共に夢を叶えようと差し伸べた少女は、夢を叶えた後も夢に憧れる心を持ち続けている。不変なんてありはしなくても、思いを馳せる初心だけは心の中で記録されている。

マイアの極めて安全な運転によって、懐かしき聖地へと問題なく変える事が出来た――盛大に目眩がするのはきっと、病み上がりだからだろう。


***





「おっ、帰って来やがった」
「よくぞ無事に戻った」

「のろうさにザフィーラ、出迎えに来てくれたのか」
 






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2016年08月04日

「Eternal Advance Chapter 21 "I hope your day is special" Action21 花蔵」予告編

クーラーが壊れ気味(´;ω;`)ウッ…>挨拶










***



「カルーアはどうした!? カイやメイアが面倒を見ていた筈だぞ!」


 カルーアの存在である。カイがどれほど無鉄砲でも、カルーアを連れて宇宙へ飛び出す筈がない。
彼はパイロットである、宇宙の恐ろしさは嫌というほど理解している。赤ん坊を連れて遊びに行ける場所では、絶対にないのだ。
宇宙船ならばまだ可能性はなくもないが、そもそもの話カイはSP蛮型しか操縦出来ない。メイアがカルーアを連れて遊びに行くことはあり得ない。

再度セルティックに確認したが、回答は同じだった。


「……カルーアちゃんの反応も、ありません……」
「そんなっ!?」



***





「おっ、帰って来やがった」
「よくぞ無事に戻った」






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2016年07月30日

「To a you side 第九楽章 英雄ポロネーズ 第八十九話」予告編

FGO、第六章。雑魚敵でさえ鬼のように強くてやり応えがありますなφ(..)>挨拶





***


 とりあえず起き上がって、食事を取るくらいには回復した。夜の一族の血の恩恵と博士の手術で接合された手で、何とかスプーン類を握れるようにはなった。お箸はまだ少し難易度が高い。
ほぼ寝っぱなしだったので魔力は回復しているが、寝たきりだったので体力はむしろ減退している。凡人が努力を怠れば、単純に衰弱するだけである。何とかパンを水で流し込んでいる。
メイドであるアリサが介護してくれているので、静養生活に不自由は一切ない。和食までわざわざ作ってくれる気配り上手だが、自分で食べられるのにわざわざ食べさせるのは何とかして貰いたい。

聖王教会総本山が運営するこの国際医療研究センターは実に管理が徹底しており、盟友関係である時空管理局からの干渉さえ断ってくれている。マスメディアの類は以ての外。

古今東西次元世界のあらゆる勢力がコンタクトを取ろうとしている様子は、空間モニターによる国際チャンネルを通じて窺えた。何か最近、本人不在で世界が騒いでしまっているな。
身体が回復すれば否が応でもこの世界の騒動に再び巻き込まれるのだと思うとウンザリだが、この荒波を乗り越えれば何とかゴールには辿り着けそうだった。聖女の護衛の席は、予約されている。
剣の練習はアリサに、魔法の練習はリニスに容赦なく禁じられているので、今の所は身体を休めるしか出来ない。秒単位で予定が埋められていたここ数ヶ月がむしろ異常だったと思う。

では暇かといえば、そうでもない。自由に旅をしていた頃と今では、決定的に違う点がある。

 

***






人間関係である。






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2016年07月28日

「Eternal Advance Chapter 21 "I hope your day is special" Action21 花蔵」予告編

ポケモンGO、配信>忍(ガタッ)>挨拶





***



 コンピューター関係に精通していないカイは当初の予定通り救援を待っていたが、メイアは強い責任感が働いていて事態を静観する事は出来なかった。
事故で乗り込んでしまった脱出ポットが廃棄予定だと判明した以上、何が起きるか分からない。せめて状態だけでも確認しなければならない。
そこで役割を分担してカイがカルーアの面倒を見て、メイアが脱出ポットの面倒を見る事になった。コンソールを操作して、ポットの状態をチェックしていく。

コンソール画面に流れる文字の羅列はカイには到底分かりようがなかったが、メイアの表情で芳しくないことは分かる。

「一応聞くけど、何とかなりそうな感じか?」
「……下手に弄れば余計に調子が悪くなるな」

 メイアも計器類については職務上何度も手を入れた経験があるのだが、廃棄処分予定のポットとなるとそもそも機能が上手く働かなくなる。
当然である、廃棄するのだからわざわざメンテナンスする必要はない。整備なんて時間の無駄であり、故障していようと知った事ではない。
機械には愛着があるとはいえ、パルフェも海賊の一員として責任がある。最期まで見捨てないという愛情も、最期が来れば切り捨てなければならない。

事故とはいえ、切り捨てられた機械に乗り込んでしまったカイ達が不幸だったのだ。


「下手に触れれば機嫌が悪くなるという意味では、こいつと同じか」
「不謹慎だぞ、カイ。見ろ、カルーアは気を悪くしたではないか」


 カイとしては場を和ませる冗談のつもりだったのだが、本当にカルーアが泣き出してしまってカイは慌ててなだめにかかった。
メイアもカイの気遣いは承知の上なので、責め立てたりはしない。この男の気の良さは、もう十分に知れている。
相変わらずカルーアは一度も笑顔を見せてくれないが、それでもカイやメイア相手には癇癪を起こしたりはしなくなった。

 

***





ホッとするべきかどうかは、今後の状況次第となるのだが。








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2016年07月23日

「To a you side 第九楽章 英雄ポロネーズ 第八十七話」予告編

VIVID 第二期も2017年放映予定だそうですね、楽しみだφ(..)>挨拶





***


 集中治療中の経過については結局、後から振り返っても殆ど思い出せなかった。束の間の覚醒と長期の昏睡を繰り返し、博士や戦闘機人達が軒並み過労でぶっ倒れてようやく怪我人にまで回復した。
流浪の旅では体調が悪くても野宿による自然回復だったのだが、今の俺には放置など断じて許されず搬送。人体の修理屋を後にして、人間の治療所へと移されたのである。人間扱いなのか微妙だ。
救急医療用の医療機器等を装備したドクターヘリに丁重に載せられて、聖王教会総本山が管理運営する国際医療研究センター病院へと搬送。ここまで来ると搬送というより、護送である。

龍姫プレセアに魔龍バハムートの討伐、猟兵団及び傭兵団の半壊に異教であるガルダ神の撃破。聖地を脅かす戦乱の火種を消し止めたとされる俺に対し、聖王教会はあらゆる外敵からの排除を行った。

この国際医療研究センター病院は最新の医療機器及び最高峰の医療スタッフが揃えられている事は最低条件であり、鉄壁のセキュリティーシステムが搭載された医療要塞であった。
最上階のエグゼクティブスイートルームは150平方メートルを誇り、病院機能が付属した高級ホテルのスイートルームといった内装。身体に異変が起きても安心で、プライバシーと快適さが徹底。
赤外線センサーを通じて俺の容態を感知し、何かあればすぐに医療及び護衛メンバーが駆けつけるというシステム。完璧な秘匿性を有しており、外部には絶対に漏れないプライベート空間。
最上階16階に1室のみ存在する徹底さで会議室等も備えており、有事の際は仕事にも使える病室となっている。防弾ガラスを設置した部屋は医療面よりセキュリティ面を重視された要人用であった。

病棟の前には専門の警備チームに加えてうちの騎士団が常駐し、セキュリティーシステムにはローゼがあらゆる技術を惜しまず導入して蟻の目もない堅牢態勢を整えている。


「妹さん一人で十分なのに」
「恐縮です」

 病室は全体的にユニットバスやキッチン、空間モニターやクローゼット等が備え付けられており設備的にも快適そのものである。入院している実感は正直全く無かった。
徹底したセキュリティだが関係者一同を呼ぶ事は認められており、息苦しさは感じない。ミッドチルダを中心した主要世界放送の視聴も可能であり、外部との隔絶もない。
正直寝込んでいる間に神棚にでも載せられる覚悟をしていたのだが、少なくとも聖王教会は俺を単なるお地蔵様にするつもりはないらしい。日本人なら、神輿扱いでも余り抵抗はないけれど。

仕事部屋にはアリサが詰め込んでおり、聖地では三役の方々が陣頭指揮を取っておられるそうだ。現場では監視も兼ねてリーゼアリアが派遣されているので、指揮系統に混乱は見られない。

 

***





「このまま自然にフェードアウトして、俺と妹さんとアリサの三人でこっそり日本へ帰ろうぜ」
「ベルカ自治領を平和にした神様は人々に惜しまれて天へと帰りましたとさ、めでたしめでたし」






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2016年07月21日

「Eternal Advance Chapter 21 "I hope your day is special" Action20 追尾」予告編

お盆休みが仕事でなくなりました。新刊が買えない(´;ω;`)ウッ…>挨拶





***


 リーダー候補であるディータ・リーベライが取った戦術とは、弾幕であった。姿を消す新型に対し、彼女は必死で考えて戦術を編み出して実行に移した。
この作戦、よく見かける戦術なのだがマグノ海賊団では余り採用されない。理由は単純で、弾幕に使用する弾薬類には限りがあるからだ。
アジトがあるメジェール領海内での戦闘であれば問題はないが、限りある資源に基いた作戦では有用ではない。一機倒すのに弾薬を浪費しては先が続かない。

この前提を、ディータはメイアがいないという前提をもって採用とした。頼りになるリーダーがいないのであれば、弾数で補う。

「ディ、ディータが攻撃に出ます。だ、だから皆はディータの援護をお願いしますね!」
『もっと堂々としなさいよ。作戦は悪くないんだから、しっかり命令すればいいのよ』
「分かった。ありがとう、ジュラ!」


 勉強中の新米にしては、よく捻り出せた戦術だと思える。常識に振り回されずに、自分の力量と照らし合わせて最善の解答を出したのだ。
リーダー不在を埋める事が後釜の務めではあるが、何もかもシャカリキに一人でこなせとは言わない。問題は自分がリーダーであるならどうするのか、である。
力量不足を痛感しているのであれば、何らかの形で穴埋めすればいい。弾薬は確かに消費してしまうが、犠牲を出してしまうよりはマシだ。


感心するほどの戦術ではないにしろ、サブリーダーのジュラとしては頷けるものであった。ハッパをかけて、攻撃を促した。


「いけー!」


 カイの出撃合図を真似た気合いで、ディータは最前線を走って新型へと向かう。目標を補足して発射、ドレッドのミサイルやレーザーをお見舞いする。
新型の基本性能も大したもので、ドレッドの素早い攻撃を次から次へと華麗に回避。見事な回避能力で、ディータの攻撃を躱していく。
敵の見事な動きに暗澹とせず、ディータは攻撃を続ける。一発勝負なぞ、欠片も望んでいない。何発撃とうと、当たってしまえばそれでいい。


それに、敵の動きを見て確信したこともあった。



***






(よかった、多分ディータのドレッドでも新型さんは倒せる!)
 





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2016年07月16日

「To a you side 第九楽章 英雄ポロネーズ 第八十八話」予告編

何だかんだで15日、誕生日です。早いものだ(´・ω・`)>挨拶





***



 ――それから先は、覚えていない。情けない話、そのまま気絶してしまった。眠気を感じる余裕もなく、ブレーカーが落ちたように意識が途絶えてしまったのだ。
魔龍プレセアとの決戦より日を置かず、聖王教会騎士団との決闘。同日に魔龍を発端とした戦争が起きてしまい、猟兵ノアに追い回された挙句、猟兵団団長のガルダとの死闘。限界だった。
戦争の最中に意識を失うのは自殺行為、残心の余地のない戦いぶりに御神美沙斗師匠やリニス先生にさぞ叱られそうだが、どうか許して貰いたい。俺としてはよく戦ったと、後ろ向きに励ましたい。

気絶した事を覚えていないのだから、目が覚めた時の場面転換に意識がついていけない。戦場の空が平坦な天井へと急に変われば、誰だって動揺すると思う。


「……っ」


 まず第一に、瞼が重い。第二に、鼻が利かない。第三として、口が動かない。身体中痛みどころか感覚がなく、一ミリも動かせなかった。重さも、軽さも、感じられない。
夢なのか現実なのか、それだけはハッキリとしている。何しろベットの脇の椅子に座って、日本から持ち込んできた携帯ゲームをガッツリやり込んでいる馬鹿女がいたから。こんなの、夢じゃない。
人が寝込んでいる横で、平然とゲームを楽しめる無神経な女なんて異世界中探してもいない。月村忍という女は、俺以上に罰当たりで礼儀知らずな人間なのだ。もう諦めている。

しかも人が目覚めたというのに、十分以上気付かずにゲームするという悪行。一息ついた時、ようやく俺の視線に気付いて歓声を上げた。

「侍君、目が覚めたんだ!? よかった、心配したんだよ!」
(嘘つけ、この野郎)


 この世に本当に神がいるのであれば何故俺という剣士をベットに縛り付け、忍というアホ女を無駄な美人に仕上げたのか。外面はいいので、安堵の表情でも麗しく見える。くそったれ。
何が起きたのかよく分からんが、この馬鹿が呑気にゲームしているということは今平和である証拠だった。ともあれ、戦争は終わったのだろう。どうしてこの女に、日常を感じなければならないのか。
ガルダを倒せたことは覚えている。ただボスを倒したからといって世界が平和になるのは、それこそゲームの中だけだ。大将の首を取れば勝てる戦争は、戦国時代に終わってしまっている。

忍はそれとなく携帯ゲーム機をベット脇の机に置いて、俺の顔を覗き込んだ。

 

***




「声が出ないでしょう。実に残念ですが、侍君は力尽きてしまいました。おお侍よ、死んでしまうとは何事じゃ」
(とりあえず、生死の境は超えられたのか)







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2016年07月08日

「To a you side 第九楽章 英雄ポロネーズ 第八十六話」予告編

「なのは」シリーズスタッフの新作「Vivid Strike」、発表されましたね!>挨拶





***


 猛禽類は基本的に神経質で、非常にデリケートな生物だ。美しい容姿とは裏腹に獲物への執着心は恐ろしく、分類学上では括れない反応の速さで獲物を容赦なく狙い撃ちにする。
最速の能力を生み出すための体型を遺憾なく発揮して飛翔、極超音速で天空へと舞い上がれたら追撃する術がない。逃走の可能性を欠片も考慮せず、空を見上げて剣を構える。
飛空魔法は嗜んでいないが、空を飛ぶ手段自体は幾つかある。追翔しようと思えば出来なくはないが、息を呑んで戒める。荒御魂を肯定し、神格者を否定した。宣戦布告を行った以上、敵は本気だ。

その逞しき生命力と驚くべき捕食スキルを目の当たりにした時、ヒトは本能的に恐れる――俺が感じた悪寒は剣士ではなく、生物分類上の本能だったのかもしれない。


"ヴィシュヌ"


 ――戦闘空域を制圧する王者の航空支配兵器、ヴィシュヌ。地上脅威に支配を及ぼす神の対地攻撃、"大いなる爆撃"であった。

戦闘機としても攻撃機としても能力を兼ね備えている、多用途な主翼。赤い翼を持つ紅鴉ラクタパクシャの翼より放たれた羽毛が、極超音速を超える速度で機関砲の如く戦場に撃ち落とされた。
先程俺との空中戦で繰り広げた戦術爆撃ではなく、敵戦力の継戦能力そのものを破壊する為に行う戦略爆撃。宣戦布告の意味を正確に捉えた、猟兵団団長としての明確な返答だった。
人道的及び効率的な問題のある無差別爆撃ではなく、精密誘導による敵戦力の隙を突いた攻撃。完全に抹殺するのではなく、完璧に殲滅するつもりであった。
戦場に倒れ伏した猟兵達も下手すれば巻き込まれる爆撃であるというのに、誰一人悲鳴も抗議も上げようとしない。何という信頼感か、生死も含めて自分達の全てを団長に預けている。

見事な覚悟である、非常識であれど一介の剣士として戦士達に敬意を払いたい――が、生憎と俺は先程自分の剣さえ捨ててしまった一般人である。




***




「シャッハ、シスターとして貴方がお守り下さい!」
「――その"願い"、確かに聞き届けました」







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2016年07月02日

「To a you side 第九楽章 英雄ポロネーズ 第八十五話」予告編

6月も終わりですね>挨拶





***


 伽楼羅、聖女が予言した神。予言の解釈ばかりに囚われていて、神そのものの実態について把握を怠っていた。神とはどのような存在か、古代より誰もが皆想像する事を諦めていた。神とは絶対にして、唯一であったから。
何とも都合がいい話だ。聖王教会が統括する聖地に降臨するからには、聖王陛下その人以外在り得ないのだと決め付けていたのだから。神か人かの議論ではなく、神とは何か熟議するべきだったのかもしれない。

鷲の頭とくちばし、翼と爪、脚を持つ金翅鳥。インド神話の聖獣を起源とする、守護神。美しい翼を持つ者スパルナの冠を持った、天空の王。宿敵である魔龍を食らう、伽楼羅法の本尊であった。

「最初から一貫して貴様は部外者だったということだ、天の遣いよ」
「龍族の姫プレセア・レヴェントンと魔龍バハムート、伽楼羅神を長とする紅鴉猟兵団――聖女の予言とは、神話の再現を告げる詩であった」

「歌い手は聖女、語り手は信徒達と言うべきかな。悲劇に彩られた愚王が闇を生み出し、邪神を崇める民が乱を起こして、我らを招き入れた。
こうして歴史は再び繰り返される、古き佳き時代であった過去が現実となる。天より舞い降りた部外者が、随分と掻き乱してくれたものじゃ」

 ……部外者である自覚はあった。そもそもの話、俺が聖地へ訪れたのはローゼとアギトの自由を得る為だ。聖地へ訪れた者達の誰よりも不純な動機で、土足で足を踏み入れてしまった。
部外者というのであれば、それこそ異世界から来た時点で今更だろう。管理外世界出身の人間が、異世界ミッドチルダの事情に深入りしてはならない。国境線とは本来、安易に踏み越えてはならないのだから。
運命の因子は全て、揃っていた。物語の主役達は集い、盛大にして偉大なる神話が描かれようとしていたのだ。何の役目もない一般市民が舞台に上がってしまえば、どれほどの名作でも駄作となってしまう。

神が人に向ける批判としては、実に正しい。だが悲しいかな、俺は剣士であった。

「覚悟が足りないな、神よ」
「……何じゃと?」

「お前がどれほど偉大な名将であろうと、戦場では愚民の竹槍で死ぬ場合もある。お前が敵とする人間は勇者でも英雄でもない、一介の剣士なのだぞ。斬るか斬られるか、それだけだ」

 俺が何故恐怖していないのか、伽楼羅神は疑念を抱いていた。前提を間違えている。死を恐れていないのではない。相手が死ぬか、自分が死ぬか、剣士が剣を取ればどちらであろうと結果は死でしかないのだ。
恐怖を抱くのはあくまで、生を前提とした話。どちらであろうと死である以上、自分が殺されるか、相手を殺すか、覚悟を決めなければならない。生を意識して戦う人間なんて、剣士ではない。
故に人でなしであり、だからこその人外なのだ。神であろうと、お前は所詮人外。部外者であろうとなかろうと、俺と同じ存在だ。下らぬ問い掛けで、覚悟なぞ疑うな。

自分の為だけに戦うのは、自分の剣を捨てた時点でもうやめた。俺が再び剣を取ったのは、お前を殺して仲間を守る為だ。生命を救うという目的があろうと――


死という結果で、この戦いを終わらせるのだ。


「――穢らわしき妖狐、人の形をした怪物、怨念に狂った邪神。世界を破滅させる存在を、何故そこまでして守らんとする?」
「事の善悪を意識した事なんて、一度もない。斬るべきかどうか、剣士である俺が決める」

 忌まわしき事情を抱えた久遠、防衛プログラムが生まれ変わったナハトヴァール、あらゆる未練と支援に破滅したオリヴィエ、ジュエルシードを動力源とするローゼ、時空管理局の法に逆らったアギト。
規模の違いはあれど、人に仇なす存在であるのは確かなのだろう。さじ加減が狂えば、世界や人々に牙を剥くのは間違いない。グレアムを筆頭に、ローゼ達を批判する彼らの出張はきっと正しい。
理屈としては理解出来るし、感情としても納得出来る。だからこそこのミッドチルダにまで足を運び、聖地にまで足を踏み入れた。グレアム達が正しいのだと受け入れた上で、俺は説得しに来た。


善であろうと悪であろうと、生きていて欲しいという"願い"を持って。


「人妖融和の理念か――ノアが貴様に懐いたのも頷けるというものよ。実に愚かではあるがその願いは尊きものであると、理解した」


 今ここに、神が人を理解した。これは、友好を示す宣言ではない。
敵である存在を認識したのであれば、容赦なく牙を剥くだけだ。


***





「いいじゃろう。ならば剣を持って覚悟を示すがいい、剣士よ。我はガルダ、人である貴様を食ろうてくれるわ」
「俺は宮本良介、神であるお前を斬り殺す」






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2016年06月25日

「To a you side 第九楽章 英雄ポロネーズ 第八十四話」予告編

エルダー・スクロールズ・オンライン日本語版が今週発売φ(..)>挨拶





***



 天狗一族を敵に回したあの時から、夜の一族の協力を得て人外に関する知識を学んでいた。天狗一族との抗争で城島晶を巻き込んだ手前、今後人外の敵に対して無知である事は罪だと痛感したからだ。
事の善悪を問える人間では無い為、悪鬼羅刹に限定していない。魔族の天敵である神族、この世で神と称される存在についても調査を行った。聖地へ向かう目的もあり、神についても精通しなければならない。
そうして知識を貯めこんでおきながら、肝心な場面で生かせない俺はとことん頭が悪い。ノアの証言や聖女の予言というヒントを得ていたのに、頭の中で無意識に否定していたのだ。

天狗とは、神話のガルダを前身とする仏法を守護する迦楼羅天が変化した存在――すなわち、敵が神である可能性を。

「異世界ミッドチルダが出身か、地球から異世界へ渡り歩いて来たのか。一体どちらなんだ、守護神さんよ」
「我の起源を問い質すとは無礼かつ不敬であるぞ、天の遣いよ」

 ――少なくとも、俺の出身を確実に知っているようだ。驚きはなかった。次元世界の歴史は長い。安全に地球から異世界へ渡る手段が確立されている以上、神が精通していても別段不思議ではない。
現状における天狗一族との繋がりは不明だが、夜の一族という例にあるように、人外の寿命は人類よりも長い。何らかの形で繋がっている可能性も否定出来ない。カレン達も異世界の調査を行うと言っていたからな。
俺を"聖王"とは呼ばず、敢えて天の遣いと表現したからには、異界からの渡航者である事は見破られている。となれば当然、"聖王"ではない事も熟知している。

猟兵団の勢力が一向に衰えず、この期に及んで牙を尖らせていたのも団長の担保があってこそだったのだ。

「久方ぶりに目の当たりにしたが、どの世界であろうと人とは変わらぬものよ。神を忘却しながらも、神を畏れる心を生涯捨てきれぬ」
「聖地と呼ばれるこの地を巣としながら、人の信仰に疑問を投げかけるのか」
「貴様を神と崇める無知蒙昧に、この我が肯定せよと申すのか」

 迦楼羅天、インド神話にも登場する炎の如き光り輝き熱を発する神鳥。人を遥かに超える総高を持つ圧倒的な存在感と美しき彩色は、神々しさに満ち溢れていた。人は見上げ、神は見下ろす。
半鳥半人の恐ろしい御姿をした神鳥の王は、人の欲望に濡れた大地へ舞い降りようとはしない。美しい翼を持つ者、スパルナの呼び名は伊達ではないらしい。欲望から隔絶した存在であった。
梵天や大自在天、文殊菩薩様の化身とまで呼ばれる神格者は、荘厳と戦場を見下ろしている。敗者となった猟兵団の面々に視線を向けても、さしたる感情は見いだせなかった。

当然であろう。猛禽類は特筆すべき個であるが、鴉は集団を持って強者と成り果てる。紅き翼の一枚二枚もがれても、鴉本体がいる限り再生出来る。

「ごめんなさい、団長……貴方から団を任されていながら、この体たらく。貴方の嫌いな俗世に再び戻してしまった、申し開きも出来ないわ」
「エッテを責めないであげて、ガルダ。白旗が、化け物揃いだった」
「かまわぬ。穢らわしき"九尾の狐"がこの地へ連れ込まれた時点で、我自ら出向くべきであろうと決めていた」

 ――九尾の狐。聞き慣れぬ呼び名であろうと、聞き違える愚かさは既に捨てている。迦楼羅天が降臨した時点で、あらゆる絶望を受け止める覚悟は出来ていた。もとより懸念はあったからだ。
ディアーチェから渡された竹刀を、握る。柄尻を強く握り締められない。体力の消耗は分かり切っていたが、ノアとの交戦が肉体の疲労に拍車をかけた。握力まで麻痺してしまっている。
プレセアとの決戦で、剣士として戦う体力を失った。団長との決闘で、バリアジャケットを編み上げる魔力を失った。ノアとの交戦で、人間として戦う気力を失った。魔女の奇襲で、生物としての生命力を失った。


***




あらゆる力を失った俺にはもう、何も残されていないのか――否。





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2016年06月18日

「To a you side 第九楽章 英雄ポロネーズ 第八十三話」予告編

東京出張も終わりそうです>挨拶





***



 最初の原則、唯一神への信仰。
 第二の原則、公正で文化的な人道主義。
 第三の原則、国家の統一。
 第四の原則、合議制と代議制における英知に導かれた民主主義。
 第五の原則、全国民に対する社会的公正。

 金色の星を描いた黒い盾。
 四角い輪と丸い輪で構成される円形の鎖。
 熱帯の樹。
 社会的動物の野牛。
 金色の稲穂と白い綿花。

 
 社会の持続と、生計の象徴。


 諸人の心を統べる方。勝利あれ、運命を担いし方よ。
 我等は汝の恵みを祈り、唱い賛える。

 勝利あれ、勝利あれ、勝利あれ。

 勝利、勝利、勝利――




***





 勝利あれ。






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2016年06月11日

「To a you side 第九楽章 英雄ポロネーズ 第八十二話」予告編

健康診断に引っかかり、再検査になりました。悪玉コレステロールLDLが150もあったそうです、どうしよう| ̄|○>挨拶





***


 救われたのだという感覚は、実のところあまりなかった。戦場においての生存は、戦争の再開に他ならない。死ねば安心であり、生きていれば戦い続けなければならない地獄である。
そうした意味とは違って、この戦場は文字通りの地獄であった。百鬼夜行の再来、魔女が使役した妖魔や幽霊は群を成しており、地の底から溢れ出ている。恐るべき魔力と執念であった。負の念に取り憑かれている。
そうした意味とは違って、俺は文字通り負の念に取り憑かれていた。大魔導師の母に縛られていた地縛霊が解放されたからといっても、浮遊霊にしかならない。この世に遺されているのは、法術による願いでしかない。

魑魅魍魎が跋扈する魔界で平然と笑っていられるこの娘は、まさしくあの世からの使いであろう。


「久し振りだねー、ダーリン。リニスからの連絡で武勇伝をいっぱい聞いているよ。花嫁さんであるあたしも、鼻が高いわ」
「ど、どうして聖地へ来ているんだ!? 管理局の法外とはいえ連中の目には届くんだぞ、此処は!」

 ――アリシア・テスタロッサ、ジュエルシード事件の起因となった過去の被害者。愛する我が子を蘇らせる為に、プレシア・テスタロッサはジュエルシードを使って願いを叶えようと暴走してしまった。
幸いにもロストロギア使用は未然に防ぎ、プレシアへの説得は成功して、彼女は管理局へ自首した。その際彼女が保存していたアリシアの遺体を、クロノやリンディの厚意により共同墓地へ埋葬されたのである。
法術使いの俺はプレシア・テスタロッサの願いは叶えず、俺を救ってくれたアリシアの魂を遺す形で恩返しとした。加害者と被害者は共に手を引いて事件は幕となったのに、発見されれば騒ぎになってしまう。
当時の事件関係者が知れば、どう見たって俺が法術を使用したと推測するだろう。結晶体となったアリサの処置でも散々揉めたのに、幽霊のアリシアまで出てくれば収拾がつかなくなる。

アリサは負の念が結晶化されたので害はないが、アリシアはあくまで幽霊である。魔物や幽霊の類は、異世界ミッドチルダでも神経を尖らせる存在。まして戦乱が起きている聖地では、目の敵になりかねない。

「最初はママと静かで平和な暮らしをしていたんだけど、ママとしてもあたしがこのままでいる事を不安に思っていたみたいなの。ダーリンに万が一の事があったら、あたしも成仏しちゃうでしょう。
あたしとしてはダーリンと添い遂げられるから文句はないんだけど、やっぱりママの事も心配。それでママがリニスを使って、色々調べてくれたの」

 リニスから、プレシア・テスタロッサの裁判の判決が出たとは聞いていた。色々起きた事件だったが、広大な次元世界を管理する管理局から見れば管理外世界での一事件に過ぎない。
ジュエルシードが地球にばら撒かれたのはあくまで事故であり、そのジュエルシードも第三者が回収しただけでプレシア本人は未使用。ジェエルシード自体は暴走してしまったが、本人が起こしたのではない。
プレシア本人も回収後"自首"しており、司法取引を受けてその後に続く一連の事件の捜査にも多大に貢献。本人も深い反省を見せており、優秀な執務官であるクロノが担当ともなれば、裁判も早い。

重病であるプレシアは魔力封印が施された上で、隔離世界へ移送されて静養と贖罪の生活を送っている。本人は動けない分、リニスを使って幽霊について調べさせたらしい。

「その結果、どうして俺の所へ来たんだ。これ以上法術を頼られても困るぞ、お前はもう願いを叶えたんだからな」
「理由その一は正に、此処にはダーリンがいるからだよ。ママが家族以外で信頼しているのは管理局じゃなくて、ダーリンだもん」


***




 ……俺が死なないか不安で仕方がないくせに、あの女もよく信頼なんぞと言えたものである。






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2016年06月02日

「To a you side 第九楽章 英雄ポロネーズ 第八十一話」予告編

6月ですね>挨拶





***


 主犯である魔女の成敗は完了し、聖地防衛の名目で魔龍を狙っていた猟兵団と傭兵団の主力は壊滅。白旗メンバーは全員完勝して、聖地は無事に守られた。地雷王討伐により、地震が止まったのである。
ベルカ自治領の混乱は現地のリニス達が治めてくれているだろうし、信徒達への影響はウーノ達が最小限に食い止めてくれている筈だ。彼女達の能力ならば、心配する必要性すら無い。
全次元世界が注目していた決闘場での騒動も聖王教会騎士団と時空管理局、スポンサーであるカリーナ達が穏便に事を治めてくれている。欲望が爆発した戦争も、これでようやく終戦となる。

とはいえ戦争である以上、油断は禁物。メンバーもその点は弁えており、勝利を喜び合うよりも先に争いを収める事を優先。主力を撃破した後は各自、残存勢力への対処に取り掛かっている。

「シスター、俺はもう大丈夫なので聖地までひとっ走りお願いします。此処で起きた戦況の全てを、現地のリニス達に伝えて下さい」
「……承りました、必ず」

 戦争が収束していない以上懸念はあるだろうが、聖地や信徒達への影響を案ずる気持ちもまた強いのだろう。一瞬逡巡した後一礼して、シスターシャッハは音もなく駆けて行った。
本来であれば彼女はシスターであり、聖王教会や信徒達を守る事が責務である。白旗への派遣として使命を全うする思いに嘘偽りはないが、地雷王が起こした震災で後ろ髪を引かれる思いだったに違いない。
申し訳なくは思っていたが、今日この時まで力になってくれた事にはまず感謝したい。どうあれ、彼女もまた仲間の一員だ。聖女の護衛という目的を抜きにしても、聖地を平和にしたいと思う。

その為にも、一刻も早く争いが起きた原因を何とかしなければならない。

「大事な足を先走らせて、君は一人何をするの?」
「魔龍を確保する。所有権争いにケリを付けるさ」

 プレセアの処分について聖王教会騎士団と揉め合ってしまい、魔龍の処分を疎かにしていた自分にも責任がある。聖王教会騎士団との決闘も無事決着がついた以上、白旗の確保は法的にも問題ない。
騎士団との決闘が行われている瞬間を狙った魔女のやり方は、悪辣ではあるが見事だと言わざるをえない。俺の思考を読んだというより、俺の思考と同一であるあの女は自分の考えに従って行動したのだろう。
決闘で勝利して魔龍の処分を公式に一任されても、先に戦争が起きてしまえば所有権は曖昧になってしまう。こうした戦争による権利のちゃぶ台返しは過去の歴史上幾らでも例があり、実に厄介であるのだ。

敵勢力の主力が失われた今が、最大の契機だった。魔龍を確保してこの場で所有権を宣言すれば、奴らが争う理由は何一つなくなる。大義名分が失われ、実力でも勝てないと分かれば降伏するしかない。



***




「お前はどうする、ノア」
「ついていく」








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