2016年12月24日

「To a you side 第十楽章 田園のコンセール 第十五話」予告編

アンケート、終了。皆さん、ありがとうございました>挨拶






***


 うちの騎士団は精鋭揃いだが、欠点とまでは言い切れない短所がある。使命感と責任感が強すぎるあまり、完璧に任務を果たせないと失敗だと思い込む点である。団長を務めるセッテに早速、盛大に頭を下げられた。
ジェイル・スカリエッティの最高傑作とまで呼ばれる戦闘機人達は能力がずば抜けて高い分、求められる完成度も己の中で際立っているらしい。全員揃って土下座せんばかりの勢いで、落ち着かせるのが大変だった。
肝心の俺自身は驚きこそあったが、混乱はしなかった。覇権をかけて争った聖地での白旗活動を通じて、リーダーとしての心構えが出来ている――だけではなく、この入国管理局を建築した者達を信じていたからだ。
"聖王"陛下を神とする聖王教会、クロノ達が所属する時空管理局、世界の覇権を握っている夜の一族。この三大勢力で守られた施設内で、子供達を誘拐する事件なんぞ起こせる筈がない。

剣の意欲を失った今では自分も半ば信じられなくなりつつあるが、生死を共にした仲間達の事は自分以上に信じられた。

「オヤジさん、ガキ共が居なくなったと聞いたんだがどういう事なんだ」
「悪いな、騒がせちまって。俺が書類手続きで目を離した隙に、全員揃って何処かへ行っちまったんだ」
「全員ってあんた……何人、連れてきたんだよ」

 妹分が出来てしまうのは半ば諦めたが、集団となると面倒が増えるので盛大に困る。幾つかの関連施設から保護したと聞いて嫌な予感がしていたんだが、どうやらまとめて引き取ったらしい。
自分の遺伝子より生まれた子供だからといって、そこまで博愛主義を発揮しなくてもいいと思うのだが、血の繋がりさえないシュテル達を四人我が子とした時点で説得力は皆無に等しかった。
ゲンヤの親父の反応から察するに、事態はそこまで深刻でもないらしい。やはりと言うべきか、この入国管理局内で誘拐事件が勃発した気配はなかった。表立って騒ぎにもなっていないしな。

何よりここは治外法権下に等しいが、管理外世界である海鳴の中だ。平和な田舎町で子供を襲うアホはいない。春先に出た通り魔は――自分が、成敗した。

「オヤジさんのその顔を見る限り、今回の騒動について心当たりがありそうだな」
「何しろほんの少し前にも一度、行方をくらましやがったバカ娘が居たからよ……幸いにも、メガーヌ捜査官が保護して送り届けてくれたおかげで事無きを得たんだが。
クイントがきつくお灸を据えて反省はしていたんだが、口を開けば兄貴の英雄伝を我が事のように自慢しまくっていたからな。他の姉妹達が、えらく羨ましがってたんだよ。

こういう憧れってのは女よりむしろ、俺らのような男に心当たりがあるだろう。子供なりの冒険心ってやつよ」

「ま、まあな……ガキの時分では、外の世界に飛び出したくなるからな」



***




 すまない、オヤジ――今の俺がまさに、その冒険心をこじらせている最中なのだ。
何しろ孤児院を脱走してまで、剣を片手に放浪している最中だからな。オヤジの指摘がグサッと、俺の胸に突き刺さった。







神姫プロジェクト、プレイ中。ID「10912599」、よろしくお願いしますφ(..)


劇場版の評価が気になる(´・ω・`)


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2016年12月20日

2016年クリスマス記念小説ヒロインアンケート

またこの季節になってしまったか>挨拶



今年のクリスマスの予定はいかがですか、皆さんー?
私は来年の春まで、東京出張で一人ビジネスホテル生活ですぜ(´;ω;`)ウッ…
デートする余裕なんてあるはずがないよo(`ω´*)oプンスカプンスカ!!

ということで、今年もせめてクリスマスSSを一人頑張って書く事にしました!
そんな訳で今年もヒロインアンケートによるクリスマス記念小説を書きたいと思います。


題材はHP「生まれたての風」の小説類。


とらハ3やヴァンドレッド、オリジナル等のジャンルですね。
毎年恒例の、主人公に恋人が出来てしまった御話です。
架空軸なので本編には関係無しの、ハッピーエンド。
皆さんが御望みのヒロインを一人メールや拍手、掲示板で教えて下さい。
私はツイッターもやっているので、そっちからお伝えくださってもかまいませんφ(..)

ただ掲示板の場合、新記事乱立は御遠慮下さい。

一つの記事にレスをつける形で、どうかお願いします(へこへこ)
人気重視で票数が一番多かったヒロインの小説を書きたいと思います。
一日一票などとセコイ事は言いません、一日何票でも投票して下さい。

ただし、一回につき一票とします。

例えば「フェイトに一万票」と書いて送っても、
規則違反で容赦なく無視しますので宜しく御願いします。
ただしナンバーズに関しては、「ナンバーズ」と投票すれば「ナンバーズ短編」を書きます。
勿論「セイン」や「ウェンディ」など、個人でも投票は可能です。
ちなみにプロットがある物については、以下の内容を考えています――


・主人公シリアス小説「正義の在り処」

※かねてより要望のあった「成長した主人公の戦闘物」
「主人公投票」で一位になれば書かせて頂きます。

・主人公バトル小説「剣と拳と賢」

・リリカルなのはVIVID短編
(ジーク、ヴィクター、ヴィヴィオ)

・男たちのクリスマス「炬燵談義と男の酒」




第九楽章でオリキャラも増えていますので、彼女達でもかまいません。
娘ではありますがシュテル達でもトップになれば書かせて頂きます。
ヒロインの他に、シチュ等書いて下されば票の上乗せや、採用するかもしれません。素敵な御意見、聞かせてください。
票数が一票もなければ更新はお休み、路上で正拳突きでもやっています。
投票期間は明日12月20日〜23日までとします。



では、投票開始です。
posted by リョウ at 21:37| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月17日

「To a you side 第十楽章 田園のコンセール 第十四話」予告編

FGO。最終決戦直前キャンペーン(石40個・リンゴ毎日2個・AP1/2)、最終決戦とマーリンピックアップ12/22より開催。やべえええええええΣ( ̄ロ ̄lll)>挨拶






***



 ――ハメられたのだと気付いたのは、会議終了直後に拘束された瞬間だった。

プロの捜査官による拘束術は実に的確かつ迅速であり、犯罪者の逃亡を一切許さない恐ろしさであった。次の予定に気付いて逃走を図ろうとした俺の行動を読んだ、見事な戦術である。敵ながら天晴であった。
クロノ達との捜査会議を終えた後は、ナカジマ家族とのランチ。捜査会議に参席していた二人と、そのままランチへ流れ込む予定に組み込まれている。戸籍問題の議論で揉めた後に入れるべき予定では断じてない。
結局リンディ達に相談しても、結論はそれこそ親子水入らずで話し合うしかなかったのだ。会議後に続いて延々と話し込みたくなかったのだが、次の予定が休息を許さない。悪魔のスケジュールであった。

面倒くさがり屋な俺の性分を見事に分析しているメイドは大した理解者だとは思うのだが、俺の精神的疲労に少しは察してもらいたい。


「では、失礼致します」
「帰ってしまうのか、妹さん!?」
「ご家族での大切な話に、お邪魔するわけには参りません」

 俺の精神的癒やしである妹さんは、非常にも退席。俺の護衛を使命としている妹さんらしくないと焦ったのだが、冷静に思い出してみると許可したのはあろう事か今朝の俺であった。ガッデム。
護衛体制や人員が充実してきたので、俺のスケジュールに合わせた交代制を採用。基本的には護衛筆頭である妹さんが始終警護に出るのだが、プライベートな予定に関しては交代制を採用する規則。
正午の予定であるクイント達とのランチでは戦闘機人関連の話題となるので、セッテ達聖王騎士団が護衛につく事になる。団長のセッテも心得ているのか、既に入国管理局へ詰め込んでいた。

妹さんからの引き継ぎを受けて、セッテも最敬礼。現地での護衛なので修道服ではなく、騎士団の制服で着任。海外交流推進政策を掲げる海鳴であっても、セッテ達の場合整った容姿で既に目立っている。


「メガーヌから話は聞いているわ。貴方達が、リョウスケに保護された子達ね。聖地ではうちの子の力となってくれて、本当にありがとう」
「陛下をお守りする事は、我々の使命」

 クイント・ナカジマが時空管理局捜査官と知っているだけに対応はやや固いが、俺の母親候補である事を前提に返礼。チンクやトーレも、無言で頭を下げている。実に複雑な関係だった。
かつては追う者と追われる者、運命の歯車が少しでも狂えば敵対していた関係。双方共に負の感情などありはしないが、立場が感情移入を許さない状態。改善するにはやはり、俺が仲立ちしなければならない。
もっともローゼやアギトと違って、主犯であるジェイルが司法取引を通じて立場の改善にあたっている。司法に関与しない俺としては、単純に双方を取り繋げばいいだけの話である。

クイント達もセッテ達も、人間的には実によく出来た人達。憎しみ合ってさえいなければ、関係改善はさほど難しくはない。


「アリサから事前に事情は伺っていたけど、俺に会わせたいガキ共がいるそうだな」
「ええ、本当はメガーヌも同席したがっていたんだけど、同件で面会しなければいけない子がいるから」
「子供……? おいおい、まさかあいつも誰か引き取ったのか!?」
「あら、お兄さん欲が出てきた?」
「うるさいよ」


***





「少し込み入った話になるから、引き合わせる前に少しだけ時間を貰えるかしら。事情を話しておきたいの」






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2016年12月15日

「Eternal Advance Chapter 20 "My Home Is Your Home" Action31 外務」予告編

FGO、第七章。アナとおばあさんのエピソードは反則(´;ω;`)ウッ…>挨拶






***


 "Warning"、コンソール画面にメッセージが流れた瞬間に警告音が脱出ポット内に鳴り響いた。

状況把握に務める必要も余裕もありはしない。わざわざ警告してくれなくても、今の状況はよく理解している。ポット内の空気量が、いよいよ生存可能率を下回ったのだ。
抱き合う形になっていたカイとメイアは、瞬時に離れる。照れたのではない、焦ったのだ。タイムリミットが来ることは分かり切っていたが、いざとなれば緊張する。
カイは今まで躊躇っていたメイアの束縛をすぐに解き放って、眠っていたカルーアを抱き上げる。警告音が鳴り響いているポットで、眠れる赤ん坊なんていない。

メイアは備え付けられていたロッカーからメジェール産の宇宙服を取り出して、素早くカルーアの顔に取り付けた。酸素の吸入が速やかに行われる。


『いよいよ刻限が近付いてきた。一応聞くが、今ならまだ間に合うぞ』
『もう今更だ。争って酸素を無駄遣いするのはやめよう』


 息を止めようが止めまいが、ポット内の空気量は低下する一方だ。呼吸も満足に行えず、息を荒げるばかりとなってしまう。カイもメイアも、覚悟を決めて座り込んだ。
今からどんな行動に出ても、もう手遅れだろう。仮にメイアが犠牲になったところで、失われた酸素は戻ってこない。空気は既に希薄となっている。
この瞬間が訪れた時点で、運命は決した。後はどのような結果を迎えるのか、覚悟を決めて待ち構えるしかない。

少なくとも、宇宙服を着ているカルーアが最後に死ぬ。そこに生還の道はまだ、残されていた。


『この子は、絶対に死なせはしない。私達で必ず守り遠そう』
『ああ、勿論だ』


 何だかんだと言い争ってしまったが、最後の最後で心は一つとなった。そう思えると、今の状況も悪くはないとメイアは寂しげに微笑んだ。
随分と回り道をしてしまったが、自分の気持ちは自覚出来た。一度認めてしまえば、さほど抵抗は感じない。こんな状況でなくても、きっと近い内に気付いていただろう。


***





いつの間にか、これほど頼ってしまっていたのだから。







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2016年12月10日

「To a you side 第十楽章 田園のコンセール 第十三話」予告編

FGO、第七章。鬼のように無我夢中でプレイしております>挨拶






***



レジアス・ゲイズ、時空管理局の地上本部においてトップとなった人物。異例の出世を果たしたこの人物は今や首都防衛隊の代表となり、辣腕を振るっていると人物評価を具体的に聞かされてる。
前代未聞の立身出世という点においては、俺なんぞを聖王に据えた聖王教会側も言えた義理ではない。実際この動きは明らかに聖地での騒動が起因となっており、事態を大きく動かしたと言えた。
宗教組織と立法組織、両組織が互いに支え合う立場であれば、組織内の激変に合わせて足並みを揃えるのは珍しい事ではない。ミッドチルダの人々も驚きこそあれど、この人事を概ね受け止めているらしい。

もっともこの動きの裏では、ジュエルシード事件より続く巨大な陰謀が渦巻いている。このレジアス・ゲイズ中将もまた、事件に大きく関与している人物であるらしい。

「あんたの上司が事件に関与しているというのは、変な話じゃないか? だってこの事件の捜査を元々始めたのも、あんたが居る部署なんだろう」
「ミッドチルダ地上での事件数は年々増加する傾向にあり、同じ部署でも担当する事件は異なる。戦闘機人に関する事件は、私が隊長として行っていた任務だ」
「なるほど……そう言えば確か以前に、上司から捜査を中止するように命令があったと言ってましたね」

「……中止の命を下したのも、レジアスだ。目立った成果を出せず、このままでは強行捜査に踏み切る段階で君の助力を得られた。だからこそこうして続けられているのだ、改めて感謝する」
「もしも強行捜査に踏み切っていれば、研究所内に配備されていた多数の戦力により私達が危機に陥っていた可能性もあったもの。本当にありがとう、リョウスケ」
「お前ばあの出来事から、私と貴方が関係を持ったのよね。命を拾ったおかげで、こうして貴方と私は結ばれたのかもしれないわ」

「俺の大事なカミさんを危険な捜査に出さないようにしてくれて、俺もお前さんには感謝しているぜ」

 思いがけずゼストチームやゲンヤの親父より絶賛を受けて、仰け反ってしまう。大の男に頭まで下げられたら、いくら俺でも嫌だとは言えなかっただけだ。知っている事を洗いざらい話しただけだからな。
後でジェイルに聞いたら、戦闘機人達や研究中だったガジェットドローンが多数詰め込んでいたらしい。メガーヌ達がどれほどの強者であろうと、多勢に無勢だったのは間違いない。
命を救われたと感謝してくれているが、どちらかと言えば命を拾っただけに等しい。俺自身が積極的に干渉した訳ではないからな、単純に彼らの運が良かったのだ。

適当に頷いておいて、もう少し事件の事情を聞かせてもらう事とする。


「あんたの上司が事件に関わっていると分かったのは、この異例の人事が理由なのか?」
「いや、以前よりレジアスには黒い噂がつきまとっていた。良い噂を聞かない事実を本人にもそれとなく聞いてみたのだが、別段反応はなかったがな」
「中将にまで抜擢されるほどの人物だ、多少の揺さぶりでは躱されるのがオチだろうよ。となれば、レジアス中将を抜擢した上層部こそが、真の黒幕ということか」


***






「"最高評議会"――旧暦の時代には世界平定に尽力した彼らこそ、此度の事件の黒幕と我々は睨んでいる」







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2016年12月08日

「Eternal Advance Chapter 20 "My Home Is Your Home" Action30 恩河」予告編

FGO、第七章開幕。早く書き終えてプレイしたい(´・ω・`)+>挨拶






***



 地球が今回用意した新型は、奇襲型――カイが立案した奇襲作戦で貴重な戦力である母艦を略奪された地球は学習し、奇襲に最適な新型兵器を誕生させた。
地球の意図はどうあれ、無人兵器達に感情はない。意趣返しの意味は毛頭なく、戦略に有効だと判断して作り上げられた無人兵器である。
彼らにとって想定外だったのは、ユメの存在。地球が保有する赤いペースシス・プラグマを感じ取れる彼女が、奇襲兵器の隠密を簡単に探索してマグノ海賊団に知らせてしまった。

ただし、作り出した事自体は決して無意味ではない――今こうして、ディータ・リーベライが追い詰められているのだから。


『ディータ、こっちはもうすぐ全機片付けられるわ。すぐに応援に行ってあげるから!』
「駄目です。周辺の警戒と宇宙人さん達の探索に回って下さい」
『何を意地張ってんのよ、あんたは!』
「ディータよりも、宇宙人さん達の命が危ないんです。この機体だって他にも居るかもしれない、命令を徹底して下さい」

『ディータ……』


 ミサイルを撃てば、迎撃される。レーザーを放てば、回避される。機銃を撃てば、物ともせずに突っ込んでくる。全火力で挑めば――姿を、消してしまう。
血の混じった汗を、操縦席で拭う。ディータは懸命であり、それでいて賢明だった。敵は奇襲型、速度やステルス性は高いが、火力そのものは低い。単騎こそが、最適。
奇襲タイプは、敵の翻弄こそが真価。もしも複数で挑んでいれば、チームワークをかき乱されて、一機ごとの性能が発揮できなくなる。落とされていたかもしれない。

この敵は、一対一で戦わなければならない。リーダーとしての教訓が、実感として発揮されていた。


(動きも早いけれど、それ以上に回避性能が高い……!)


 意外にも、今までの機体の中で回避性能に特化した無人兵器は居なかった。火力や速度、奇抜な性能が多々あったが、回避性能に優れていた機体はデータ上いない。
敢えて言えば尖兵のキューブ型となるが、彼らは行動力に乏しい。数打てば当たる理論で、撃墜を物ともせずに攻撃を仕掛けてくる烏合の衆である。
今回の新型は回避しては隠密行動に移る連続性を持っており、目で追えても動きを掴むのが難しい。だからこそ、厄介極まりなかった。




***






下手に目で追えてしまっている分、翻弄されてしまう。動きに目を奪われてしまって、ついつい視線が走ってしまうのだ。







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2016年12月03日

「To a you side 第十楽章 田園のコンセール 第十二話」予告編

FGO、来週はいよいよ第七章が開幕かな(´・ω・`)+>挨拶






***


 あのガリ野郎から一体どんな本を受け取ったのか妹さんに聞きたかったが、呼び出しを思いっきり食らったので渋々追求を避けた。あの女のせいで、会議が行われる前から疲れてしまった。
入国管理局の管理体制がどのようになっているのか知る由もないが、地元の名士達と夜の一族、夜の一族と時空管理局、時空管理局と聖王教会。横の繋がりがトンデモなくて、暴き立てるととんでもない事になるだろう。
仲介役のアリサに言わせれば俺を主軸とした関係だと豪語しているが、各方面の人間関係にひたすら振り回されている身としては複雑な思いがある。昔のように、ガリやデブの相手をしていればよかった時期が懐かしくもなる。

人間関係の発展をもたらした急先鋒が、わざわざ会議室から出迎えてくれた。

「エイミィから帰還報告は受けていたがひとまず無事で何よりだ、ミヤモト」
「一応執務官服は取り上げられてはいないようだな、クロノ」
「あくまで僕のバリアジャケットであり、任務を行う制服だ。環境は変われど、職務は遂行する気概で望んでいる」

 人を斬る剣士ではあるが、俺とて人間だ。自分の採った行動や選択により、知人の人生が変わってしまったと嘆かれれば気にかける。本人を目の前にすれば、尚の事である。
エイミィが左遷を嘆いていたクロノ・ハラオウンではあったが、別段変わった様子はない。心配と共に懸念させられるのは、やはりかつて海外から戻った時の美由希達の変貌があったからだろう。
仏のような優しい人間でも、環境が激変すれば修羅となってしまう。天国から地獄へ落とされれば、天使も悪魔となり得る。非難は覚悟の上であっても、敵意や殺意を向けられるのは正直キツイ。

護衛役である妹さんが静観しているので杞憂ではあるだろうが、ともあれ変わっていない顔が見れたのはホッとした。会議室へ入室すると、久しぶりの面々が揃っている。

「おかえりなさい、リョウスケ。メガーヌから話は聞いたわよ、大活躍だったそうじゃない。母として、実に鼻が高いわ」
「息子の自慢をしたのは私であって貴方が鼻を伸ばす事ではないわよ、クイント」


「……っ」
「……っっ」




***




「――オヤジまで顔を出しているのはまさか、飛ばされたからではないよな。この件か?」
「協力していた手前本部からは睨みを付けられているがな、今のところは勧告程度よ。この会議の後、お前さんと家族で昼飯を一緒に食うつもりで来た」








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2016年12月01日

「Eternal Advance Chapter 20 "My Home Is Your Home" その29 安穏」予告編

FGO、来週はいよいよ第七章が開幕かな(´・ω・`)+>挨拶






***


 ――目覚めたら猿轡を噛まされた上に、全身を縛り付けられていた。


「モゴッ!?」
『油断大敵だったな、青髪』

 メイア・ギズボーンが目覚めたのを確認して、カイは言葉を書いたメモ帳を突き付ける。口をつぐんでいるところを見ると、少しでも呼吸を減らすつもりなのだろう。
カイが普段着ている上着が無く、メイアの身体に巻き付いていた。手頃な縄がなく、自分の上着で代用したのだろう。その点も、メイアにとって腹立たしかった。
海賊という生業上、縄抜けの技術は必須である。メイアも体得しているが、ド素人が上着で強引に縛り付けてしまえば、縄抜けも何もあったものではない。

人を殴り倒しておいて、カイに悪びれる風はなかった。

『お前には実に申し訳ないが、助けが来るまでそのままで居てもらう。安心しろ、救助が来た段階で解いてやる』
「モゴッ、モゴォ!」
『騒ぎ立てると無駄な酸素を消費して、俺達のみならずカルーアの生存率を下げるぞ』

 メモで指摘されて、メイアは慌ててカルーアを見やる。緊急時に関わらず、すっかり熟睡していた。カイが寝かしつけたのだろう、ひとまず安堵する。
一応の状況は確認したが、メイア本人だけが悪化している事態である。自ら命を断つことを阻止したのだろうが、問答無用すぎて文句の一つも言いたくなってくる。
自殺者への対応としては、ひとまず間違えてはいない。説得に応じないのであれば、力づくで阻止するのも一応は救命に該当する。

本人の意志を無視した行為ではあるが、命には変えられない。賛否両論あったとしても、批判には当たらないだろう。


『状況は理解出来たな、お前は絶対に死なせない。生存率を下げることになろうと、仲間達が助けに来るまで俺達は大人しく待つ』
「モゴゴッ!」
『全員は助からないと言いたいのだろうが、俺はそれでも未来に見切りをつける選択はしない』



***





 ――自分に見切りをつけているのと同意であると、カイはその目で指摘する。






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2016年11月26日

「To a you side 第十楽章 田園のコンセール 第十一話」予告編

エルダースクロールオンライン、チャンピオンP200に達成(´・ω・`)+>挨拶






***


 空条創愛、今では児童養護施設と呼ばれている所でほぼ同時期に引き取られた女である。幼馴染という単純な関係ではなく、合わせ鏡のように影響を及ぼして関係を重ね合った人間である。
仲が良かったと言えるかどうかは、正直定かではない。所詮男と女、ガキの遊びといえど違ってくる。俺は外で遊ぶのが好きだったが、こいつは中で静かに過ごすのが好きであった。何から何まで好みが違っていた。
一緒に居たというより、常に肌で感じていたと言うべきか。忍とはまた違う縁で、こいつはいつも視線の片隅にいた。話し、遊び、飯を食い、風呂へ入り、寝る。日々の生活の中に、お互いがいたのだ。

俺は乱暴者で嫌われており、こいつは無感情で好かれていなかった。男なんて粗忽者は受け入れられず、女なんて不細工は弾かれる。だからこそ俺達は、一人を満喫することが出来ていた。


「昨日の今日でお前が来るとは、よほど暇だったのか」
「ええ、忙しい日々が続いていたので少しの間休むことにしたの。見ての通り此処で本を読むついでに、貴方と会ったのよ」

 普通の女であれば照れ隠しだと異性の心をくすぐってくれるが、こいつの場合多分本当なので厄介だ。あの母親にだって今日、此処へ来ることは言っていない。俺と会えたかどうかは、分からないのだ。
結果として各国の外国人達に囲まれる始末となったのは実にざまあないが、あれ以上騒がれると俺まで迷惑を被るので施設見学は中止。妹さん達に外国人達を丁重に追い払って貰い、休憩室で二人きりになった。
男と女、二人きりになっても全く動揺も何もしない。匂い立つほどの美少女となった過去の女を前にしても、多少の驚きはあっても感慨はなかった。相手だって、似たような心境だろう。

休憩室に設置されていた自動販売機の前に立つ。

「アイスストレートティーをお願いするわ」
「自分で買え」
「今自動販売機の前に立っているのは、貴方よ」
「俺が買った後で、勝手に買えばいいだろう」

「私に買わせたいのかしら、亭主関白ね」

 涼しげに微笑まれた、実にムカつく。ガリガリだった頃はまるで女のような性質の悪いジョークだと馬鹿にしてやれたのに、美人になってしまうと男が負けになってしまう。不愉快な生き物になりやがった。

「買ってほしいなら、小銭を出せ」
「いいわ、千円札で頬を引っ叩いてあげる」
「何故、無駄な攻撃を入れるのか」
「男の夢だと枕元で言っていたでしょう、叶えてあげる」

「札束を用意できる身分になってから言え」

 ちょっと話してみて分かったが、全然変わっていない。海鳴へ来て随分と色々な個性を持つ人間達と出会ったが、ここまで性質の悪い女は居なかった。性格の悪さは居たが、性質が悪いと手に負えない。
基本的に同種の人間なので、ジャブの応酬になってしまう。不毛に傷つけ合って、互いの自尊心を守る馬鹿共なのだ。俺は男だから別にいいが、見た目がいい女がやると極悪である。
憎たらしいからホットコーヒーを買ってやると、あろうことか俺の分である日本茶を奪い取って飲み出した。口をつけた奴の勝ち、孤児院ルールを熟知した汚い手段だった。

間接キスなぞ上流階級の無作法とばかりに奪い返せるが、単純にもう量が減っているのでやめておく。コーヒーだって別に嫌いじゃない、熱いけど。


「今日はひたすら忙しいから、お前と遊んでいる余裕はないぞ」
「かまわないわ、また会えるもの」
「……まだあの孤児院から出ていないのか」




***





「あの孤児院はもうないわ。お母さんは移設と言ったのでしょうけど、実質は多額の資金援助と支援を受けた再建よ」






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所属できそうなユニオンを探しております(´;ω;`)ウッ…


TOHOシネマズのサイトで劇場版の公開日が10月15日になってるけど本当かな?


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2016年11月19日

「To a you side 第十楽章 田園のコンセール 第十話」予告編

エクステラ、プレイ中(´・ω・`)+>挨拶






***


 ――「ガリ」というアダ名の由来は実に単純で、あいつがガリガリだったからだ。

俺が引き取られていた孤児院は、 安定した財源がない中での施設運営だったのは確かだ。ガキ共の衣食住の確保だけで精一杯という施設で、裕福な暮らしなど到底見込めなかった。
学用品の不足も目立っていた悲惨な暮らしだったが、決して栄養のない食事だった訳ではない。最低限の暮らしは担保されており、実際俺を含めた他のガキ共はそれなりには成長していたのだ。

そういう意味では、あいつだけが"特別"だった。針金のようにやせ細った手足、青ざめた皮膚、頬が削げた顔、骨と皮だけだった身体――ガイコツと呼ばれていたのを覚えている。

一応言っておくが、孤児院側から迫害を受けていたのではない。同じ子供達から、イジメを食らっていたのでもない。院長でもない分際で、孤児院を取り仕切っていたあの母親が子供への虐待を許さなかった。
本人に問題があったのは事実だろうが、少なくとも病気の類ではなかったと思う。肉体的には大いに異常ではあったが、診断が困難で栄養補給も芳しくなかった。食こそ細いが本人は食べていたのに、肉がつかない。

こんな話を聞いたことがある。家族に愛されないで育った子供というのは、家族に恵まれた子供と比べて発育が悪くなるケースがあるらしい。愛情不足のストレスで、成長ホルモンのバランスが崩れてしまうのだ。

更に性質が悪い事に、俺と同じ捨て子の分際で俺より遥かに頭が良く、俺より早く他人に見切りをつけていた。誰に何をどう言われようと、何と思われようと一切かまわず、孤児院の中で一人生きていた。
あの母親は教育には厳しい分、育児にも厳しい。本人の主義主張には関与せず、尊重した上で人生を見極める、実に舵取りの難しい育児を行っていた。あいつの個人主義も修正されず、身体面での配慮に徹底されていた。
ガイコツなんぞと呼ばれるのも傍から見ればイジメなのだろうが、本人が全く気にしていないのだから、イジメとはならない。だからあの母親も粛清まではせず、睨みを利かせるのみだった。
こういうのは実に厄介な問題で、角に取り締まってしまうと悪化する危険性がある。子供の自主性も損なわれてしまう怖さがある。だから呼び名まで不要に鑑賞せず、言われるがままにさせていた。


――当時の俺にとって、こうした背景は死ぬほどどうでもよかった。


「おい、ガリ。めしをのこすのなら、おれにくれ」
「いくらだす?」
「ただめしなのになぜかねをとるんだ、こら」
「わたしのものであって、あなたのものじゃない」
「くわなければごみじゃねえか」
「わたしたちなんて、しょせんごみ」
「そういうむずかしーはなしはどーでもいいからよこせ、ガリ」
「……ねえ」
「あんだよ」

「どうして、わたしをガリとよぶの?」

「やせっぽちじゃねえか」
「みんなはがいこつとよぶ」
「がいこつなんて、きもちわるいよびかたできるか」
「……きもちわるい?」
「ふつうにきもちわるいぞ」
「そうじゃない。わたしをそうよぶのは、きもちわるいの?」

「そりゃそうだろう――"おんな"をがいこつなんてよべるか、きもちわるい」

「……ねえ」
「なんだよ、もう」

「これ、あげる」
「おっ、くれるのか。いただきまーす」



***







「おとなになったら、はらってね」






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2016年11月16日

「Eternal Advance Chapter 20 "My Home Is Your Home" Action28 屍鬼」予告編

来週多忙により、ヴァンドレッド小説はお休みさせて頂きますm(_ _)m>挨拶






***



「エズラはレーダー室へ、ナビゲートチームと協力してポットを探すんだ」


 カイとメイア、カルーアの三名が行方不明。事が発覚した後は迅速かつ的確に行動に移す面々だったが、関係者であるエズラだけが半ば取り残されていた。
言わずもがな、カルーアを危険に追いやったカイとメイアを恨んでいない。真相は不明であっても、彼らがカルーアに危害を加えるなんてありえない。
こうなってしまったのは、母として至らぬ自分の責任。自分への反省と後悔、仲間達への感謝とも合わさって、心は浮き沈みを繰り返す一方であった。

そんな彼女に、副長のブザムは命を下した。私情ではなく、任務として我が子の探索を行うように命じたのである。

「は、はい……!」

 気遣われている事を承知の上で、感謝と共に受諾する。心の整理は今も付いていないが、戸惑ってばかりではいられない。
同じく命令を受けたナビゲートチーム、ユメやピョロも似た心境であった。他の皆から背中を押されながらも、有効的な手立てが打てず戸惑っている。
分からないのであれば、ともかく行動に移して探せばいい。けれど彼らが恐れているのは、結果であった――発見できなかったという結果も、最悪ではあるのだが。


発見が遅れることの無駄も同じく、怯えている。


(うう、一体何処に居るの……ソラはいつまで時間をかけているのよ!)


 時間を無駄に出来ない。廃棄処分の脱出ポットであれば、エネルギーも酸素も不足しているだろう。時間がかかってしまうと、酸欠で死んでしまう。
優秀なブリッジクルーであるエズラも、その可能性には気付いている。そして三人の中で一番早く死ぬのは、赤ん坊のカルーアである事も。
同乗するカイやメイアが必死で救護を行うだろうが、焼け石に水だ。元々の酸素量が不足しているのだから、早いか遅いかの違いでしかない。



***






命を受けても悩んでしまう面々を前に、ポニーテールの少女がブリッジに飛び込んできた。








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2016年11月12日

「To a you side 第十楽章 田園のコンセール 第九話」予告編

エクステラ、購入しましたぜ(´・ω・`)+>挨拶






***


この度ミッドチルダより遥々参られた新しい友人達との出会いを祝して、ささやかではありますが親睦会を開催させて頂きます――はいそこ、乾杯前に飲んだらあかんよ」
「ものすごくズバリと俺を警戒してやがったな、貴様」

 入国管理局では何かとゴタゴタはあったが、一応無事に日本への帰国を許されて家に帰ってこれた。忍の家なので、我が家とは舌が避けても言いたくない。本人に聞こえれば、ガッツポーズを取りやがるからな。
入国管理局での派手な出迎えで予想は出来ていたが、八神家の連中にも俺達の帰国日は伝えられていたようだ。手荷物を置いて一息ついたところで、こうして月村邸のカフェテリアへ全員集められてしまった。
音頭を取っているのは、八神家の主である八神はやて。足が不自由な少女だったのだが、家族も増えて生き甲斐を取り戻し、熱心に足のリハビリに励んで今では支え無しで立てるようになったらしい。

三ヶ月で自分の足で立てるようになったはやてと、三ヶ月で自分の剣を捨ててしまった俺。時間の流れは平等でも、時間の過ごし方は違うのだと痛感させられる。


「ローゼちゃんの就職も決まり、アギトも自分の人生を取り戻したというめでたき祝辞。今晩は盛大に盛り上がって、皆さんの輝かしい門出をお祝いしたいと思います」
「……今日はやたらテンションが高いな、お前」
「良介こそ、一番の功労者やんか。辛気臭い顔をしとらんで、もっとニコニコ笑おうや」

 うーん、殴りたい。はやてに悪気がないのは分かっているのだが、俺としては苦労の方が多かったので気分は微妙である。特にあのアホのせいで、三ヶ月も必死だったという徒労感が半端ない。
考えてみれば、俺自身は特に報酬を手に入れられていない。聖地における権力は手中に収めたかもしれないが、"聖王"陛下は権利よりも義務の方が大きい。神様なので、好き放題出来ないからな。
反面ローゼは手に入れた自由を満喫しているのかと思うと、尚更腹が立つ。あいつも救世主という立場を背負っているが、基本マイペースなアホなのでのびのびとやっているに違いない。

ともあれ一応祝いの席であるのだから、辛気臭い顔をするのはやめておこう。


「はやてさんや」
「なんだい、だんなさん」
「祝いの席であると言うのに、アルコール類がございませんぜ」
「やだねえ、だんなさんは未成年じゃないですか」
「今夜は無礼講じゃありませんか。固いことは抜きにしましょうぜ」
「子供達の前ですよ、だんなさん」
「大人のいい飲みっぷりを見せてやりたい親心ってもんですぜ」
「あらまあ、なかなかのダメ大人ぶりですね、だんなさん」

「――こういうコントが始まったら長引くから、適当に聞き流していいよ。何の中身もない会話だから」
「お気遣いありがとうございます、妻殿。ですが我らは騎士、何時いかなる時でも陛下の御声に耳を傾ける心構えです」



***





「あいつの顔に皿を投げるのも効果的よ、すずか。正気になるから」
「大丈夫だよ、アリサちゃん。慣れているから」






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2016年11月10日

「Eternal Advance Chapter 20 "My Home Is Your Home" Action27 華霊」予告編

エクステラ、発売>挨拶






***



"メイア"


 名を呼びかけられて、メイア・ギズボーンはすぐに目覚めた。失われた意識の間で、彼女は目覚めてしまった――夢を、見ているのだと。
声は、優しかった。声が、愛しかった。声に、慈しまれていた。誰よりも優しく、誰よりも温かい。だからこそ、彼女は気付いてしまったのだ。

これほど優しい世界は、夢の中でしかありえない。



"メイア、オーマはね……メイアが嫌いだから、叱ったんじゃないの"


 覚えている。まだ現実を何も知らない子供時代、イタズラをしてひどく叱られた。とても悲しくて、とても悔しくて、とても苦しくて、泣き喚いてしまった。
家の片隅で泣き震えていたメイアを、声の主――ファーマは、励ましてくれた。気遣ってくれた。それが嬉しくて、それがとても申し訳なくて――

やはり、泣くしかなかった。


"貴女に、分かってほしかったのよ"




***






 ――ああ、そうなのだろう……だから、あの男は自分を殴ったのだ。






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2016年11月05日

「To a you side To a you side 第十楽章 田園のコンセール 第八話」予告編

シン・ゴジラ、見てきました。これでネタバレもオッケーですぜ(´・ω・`)b>挨拶





***



 問答無用で叩き切って、夜の一族の姫君達との対談を強制終了。後悔どころかむしろ清々しい気持ちで、会議室を後にする――通路の奥から猛突進してきた、綺堂さくらを見るまでは。
異世界という広大な世界を経てもなかなか巡り会えない美人キャリアウーマンから、ドロップキックを出会い頭にお見舞いされた俺の気持ちをどう表現するべきか。憧れの女性が、変貌してしまった。
魔龍や異教の神の攻撃をものともしなかった剣士が、為す術もなく顎をふっ飛ばされて転がされる。痛いというより、凄まじい衝撃で脳が猛烈に揺らされている。ヒールで蹴られなかったのが、せめてもの慰めか。

カツカツと思いっきり音を鳴らして歩み寄られて、知性に磨かれた美貌が眼前に迫り来る。

「おかえりなさい。待っていたわ、ええ本当に」
「ま、待ち望んでいた人間にする仕打ちか!?」

「待ち焦がれていた女性にする仕打ちではないでしょう。つい今、私の所へ猛烈な抗議があったのよ」


 お、おのれ、あいつら……俺に直接言っても暖簾に腕押しだと悟って、俺の仲介者にクレームを投げやがったな。実によく俺を理解している抗議のやり方に、愛らしさより憎たらしさを感じる。
套路のど真ん中で正座させられて、長々とお説教。聞き苦しい説教は割愛するとして、要約するとあの女共は俺が何時帰ってくるのか、都度綺堂さくらに圧力をかけていたようだ。そんなの、分かるはずがないのに。
そう考えると定時連絡くらいするべきだったかもしれないが、聖地での勢力争いが大変過ぎてそれどころではなかったのだ。三ヶ月で帰ってこれたのは、奇跡的であると理解して欲しい。

俺がそう願っていたからではないのだろうが、綺堂も単純に鬱憤をぶつけるだけの女ではなかった。一通り言った後、深く嘆息して俺を立たせる。


「何にしても、無事に帰って来てくれてよかったわ。忍やすずかの元気な顔も見れて、とても安心したもの」
「本当に申し訳ない。大事な身内を預かっていたのだから、連絡くらいはするべきだったな」

「その点についてはその通りだから、きちんと反省してね。貴方が面会している間に忍達から話は聞いたけれど、目的は達成出来たようね」
「色々後処理や課題は残っているけれど、当初の目的は無事に達成できた。仲介者のあんたには申し訳ないけど、全面解決ではないのでしばらくは往復になると思う」

「……こんな大袈裟な施設が建造された時から、覚悟はしていたわ。貴方も何かと複雑な立場に立たされたようね」

 綺堂さくらの声に嘆きこそあれど同情や憐憫がないのは、立場が違えど役割そのものは変わらないのを分かっているからだろう。そう、役目が増えただけで役割は変わっていない。
そもそも夜の一族と関わった時点で、世界規模の事情に巻き込まれているのだ。あのお姫様達も各国の要人である、付き合っているだけでも世界事情に触れる事になってしまう。一般人には容易く戻れない。
"聖王"陛下という役目は、多くの人達と関わるという役割に支障はない。新しく異世界という仕事場が増えただけで、今後も引き続きあらゆる事情や課題と向き合っていかなければならない。

面倒をかけてしまうという意味では、さくらにとっても役割としては変わらない。苦労をかけてしまうが、俺としても頭を下げるしかない。


「話すべき頃は沢山あるけれど、貴方も帰って来たばかりで疲れているでしょう。ノエルが車を用意しているから、今晩はもう家に帰って休みなさい」
「一応聞くけど、その家というのは忍の家のことだよな」
「他に何処へ帰るというのかしら?」
「いや、今更過ぎるけどあんたの可愛い姪っ子がいる家にいつまでも寝泊まりしていていいのか」

「三ヶ月も可愛い姪を二人揃って連れ出された時点で、もう何もかも諦めたわ。それに婚約者も愛人も居ながら、容赦なく連絡を切る貴方のその不動の精神は信頼しているわよ」

 昔は霹靂させられていたさくらも、今ではもう平然とした顔である。女関係にだらしがない男ではなく、女に興味がない男だと思われているようだ。俺としては連中を異性と認識するべきか、大いに怪しいのだが。
容姿は抜群なのだが、一癖も二癖もある女共だからな。人間に平均なんぞありはしないが、俗に言う一般的な女性というものが俺の周りには存在しない。那美は比較的まともだけど、退魔師だから別枠である。
しかも敵に至るまで、怖い女が多いのだ。聖王教会騎士団団長殿のような、正当な強者と戦っていきたい。少なくとも、喉に噛み付いてくる龍姫なんぞもう御免である。

事後処理はさくらに任せるとして、ひとまずこの入局管理局での一連の手続きはようやく終わった。俺が対談している間に、エイミィ達が済ませてくれたようだ。

事務手続きはアリサが行い、妹さんが現地の護衛チームと連絡を取ってサポート体制を再編成。例の忍者さん達が俺の留守中、海鳴で情報及びセキュリティネットワークを入念に張り巡らせてくれたようだ。
異世界より連れてきたセッテ達も管理局への諸手続きを行って、現地滞在が承認された。教会の紹介状は、驚くほど効果が高い。身元保証人が聖女様というのであれば、何も言えやしない。
俺のもっとも懸念すべき母親は、どうやら俺が対談中にシュテル達について色々相談に乗っていてくれたらしい。驚くほど親身になって、俺の子供となる子達の保護と世話を約束して帰っていった。
子供まで引き取ると言ってしまった以上、渋々ではあるが保母であるあいつの世話にもならなければならないだろう。うるさく言われない内に、俺から後日連絡をとっておくか。


そしてようやく、実感が伴わなかった帰郷が行えた――真夜中で、全く町並みが見えなかったけど。


***







「……また明日だな」
「……うん、帰ろう」








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2016年11月03日

「Eternal Advance Chapter 21 "I hope your day is special" Action26 -志夢-」予告編

うたわれるもの 完全攻略。2016年どころか、2000年代最高のRPGでした(´;ω;`)ウッ…>挨拶





***


 ――辿り着くのに、時間はかからなかった。

「副長、脱出ポットの一つが無くなっています」
「な、何だと!?」


 傍で報告を聞いていたユメが、憮然と鼻を鳴らした。自分には直接言わず、人間の上司を介したその態度が腹立たしい。
だが、今は内輪揉めしている場合ではない。先ほど散々やりあった後だ、これ以上は人間の言う通り不毛に尽きる。
敬愛する自分の主と可愛い妹が見つかってから思う存分言ってやるのだと、ユメは口を挟まずに経過を見守った。

報告を受けた副長ブザムは、理解出来ないとばかりに首を振る。

「何故、脱出ポットになど乗っている。そもそもメイアはカイが見張り、カイにはメイアがついていた。馬鹿な真似をする余地がない」

 カイの突拍子もないおふざけであればメイアが止めて、メイアのありえない失敗であればカイがカバーに入っている筈である。
この二人が揃って行動していて、カルーアの育児に勤しんでいるのであれば、どんな不都合も起こりようがないのだ。
そもそも脱出ポットというのも、よく分からない。緊急用の脱出ポットに何故乗り込んでいるのか、何から何までよく分からない。

カイの事をよく理解しているユメは、考えられる範囲の現象を口にする。

「ますたぁーはトーゼンとして、万が一あの人間の女が何もしていないのなら、何かトラブルでもあったんじゃないの?」
「トラブルと言っても、脱出ポットになど――」

「ますたぁーはそのありえない事をする、ステキな人だよ!」


***






「……これ以上ない説得力ですよ、副長」
「……またあの男は……」







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2016年10月22日

「To a you side To a you side 第十楽章 田園のコンセール 第六話」予告編

うたわれるもの続編、ラスボスも近いと思うと寂しい(´・ω・`)>挨拶





***


「――つまりドイツで起きた一連のテロ事件を解決したお前の事を知り、この子達がお前を頼ってきたと言うのか?」
「爆破テロ事件や要人テロ事件で国籍や階級問わず救出した俺の話を聞き、伝手を通じて俺に身元引受人を嘆願してきたんだ」
「年端もいかぬ少女達であるというだけで、お前が赤の他人を引き受けたりはしないだろう。まして外国人、五人もいるのだぞ」

「嘆願だけではなく、この子シュテルからの取引もあったのは事実だ。その点は否定しない」
「どれほどの取引を申し出れば、五人の子供達の人生を背負う対価となる?」

「父上、取引の話であれば私から説明させて下さい」

 バックドロップを盛大に食らった痛む頭を必死で回転させながら、猛烈に詰め寄る母親相手に必死で説明する俺。周到に手回ししてきたというのに、肝心の詰めをしくじってしまった。実に厄介である。
保母の分際で身寄りのない子供達のお涙頂戴劇が全く通じない、無慈悲な女。桃子やリンディであれば通じるであろう人情噺でも、此奴ならば鼻で笑うだろう。絵本は好きなくせに、理解不能な頭の構造をしている。
夜の一族の世界会議や聖地での権力争いを通じて、その場凌ぎにはそれなりの経験と自信を積んでいる。内心大慌てであっても、言葉上冷静に受け答えして対応。事実と虚偽を織り交ぜて、必死で質疑応答を繰り返す。

難儀していた俺に頭脳面のサポートを行ってくれたのは、俺の右腕を主張するシュテルであった。


「改めて、ご挨拶させて下さい。私はシュテル・ザ・デストラクター、父上よりこの名を与えられた娘です。祖母殿とお呼びすべきでしょうか」
「私がまだ理解と納得が及んでいないという点を考慮した上で、礼節を弁えている。その点は評価するが、謹んでお断りさせてもらう。
恐らく君達に罪がないのであろうが、現時点で息子の子を名乗るだけの少女に祖母と呼ばれるのは抵抗がある。私が女性である点もふまえて、名前で呼んでくれ。私はヒミコだ」
「では、ヒミコさん。私達は生来より名前を持たず、己自身が何者か分からず、皆で当てもなく連れ添っておりました。いわゆる、ストリートチルドレンです」

 ストリートチルドレンは両親や大人達の養育や保護をされず、家を持たない者達を指している。シュテル達はあの魔導書の中で眠っていたので、紹介としては概ね間違えていない。
チルドレン達は多くの大都市や発展途上国にも多数存在するので、身元の痕跡を辿るのは不可能に近い。実際シュテル達も自分の出生について、原点まで辿るのは本人達でも無理だろう。
孤児院の保母として当然の知識を持っているヒミコは、特段顔色も変えない。そもそも身元引受を頼ってきたのだから、背景に児童の放置があったどころで驚きなんぞありはしない。

問題はシュテル達は特別な例ではないということだ。孤児を不憫に思っていちいち拾っていては、本人さえも養えなくなる。神様であろうと、誰でも救えるのではない。


「先程も言いましたが、私達は親を知りません。単純に育児放棄をされたのではなく――」
「もしかすると、"監護放棄"か」
「全ての分野における義務不履行を受け、幼児や低年齢児童の養育を著しく怠られました。この子ナハトヴァールは特に顕著で、自立性や自救能力がまだ低い状態です」

 育児放棄も大概酷いのだが、監護放棄にまでなるとペットの飼育放棄とほぼ変わらない。子供が親を認識するのは、親より与えられたからである。嫌な例だが虐待であっても、痛みを与えられて親の存在を知れる。
監護放棄までされてしまうと、子供は親を認識出来ない。もしかするといたのかもしれないが、子が親を認識出来ないのである。放置され続ければ家にも居られず、ストリートへ飛び出すしかない。
日本は治安国家と呼ばれる程福祉厚生が充実しているが、海外では制度が行き届いていない国も多い。シュテル達のような親の顔を知らない子達は、年々増加している傾向さえあるという。

繰り返すが、そこまでは決して珍しくはない。あってはいけない悲劇ではあるが、よくある不幸だと大抵の人間は片付けている。


「先日の国際ニュースでは、父上に関するあらゆる美談が絶え間なく放映されておりました。人々の喚起や賞賛、世界各国の熱狂は私達ストリートチルドレンにとって父という人物に憧れる材料となりました。
とはいえ、私達と父上との間には何もありません。父上ほどの英雄であろうと、何処ぞとしれぬ私達を拾う理由はないでしょう」
「そこで、お前達から取引を持ちかけたというのだな。名も持たないお前達が、この男に何を差し出した」

「こちらです」



***





 シュテル・ザ・デストラクターは己の掌を差し出して――炎を、展開した。





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2016年10月20日

「Eternal Advance Chapter 21 "I hope your day is special" Action25 野海」予告編


うたわれるもの続編、終盤まで来たと思うのですがタイトルの意味がまだ分からない(´・ω・`)>挨拶





***


 ひとまず、冷静になることにした。カイは自分から引き下がり、メイアへ反論するのを止める。決意を見破ったというのに追求してこないカイに、むしろメイアが戸惑ってしまう。
カイとて、納得したのではない。言いたいことは色々あるし、絶対に言えないこともある。追求しないのは単純な話、無駄な酸素の消費を抑える為だ。
メイアを納得させる絶好の材料は、手元にある。サプライズパーティー、彼女の誕生日会。仲間が盛大に祝ってやれば、メイアという人間がどれほど価値があるのか思い知るだろう。

昔と今の明確な違いが、ここに現れる。孤独に戦っていた過去とは違い、今は命さえ預けられる仲間達がいる。


『今からこのコンソールでの画面越しに話そう』
『急にどうした』
『言い争うだけ、酸素の無駄だ。なるべく口を開かずに、話し合おうじゃないか』

 救命ポットのコンソールは旧式だが、文字を打つ程度はカイでも行える。滑らかにタイピング出来ないが、会話を成立させるのには支障はない。
カイの意図を知ってメイアは小さく頷いたが、納得した様子はない。言い争うのを止めたところで、酸素の消費を抑えられる量は限られている。
メイアも、簡単に諦めたのではない。あらゆる試行錯誤を繰り返して、救命は間に合わないと判断したのだ。酸素の節約なんて、一番最初に検討している。

この会話こそ無駄だと言わんばかりに、メイアは明確に要求する。


『話し合う事は何もない。お前とカルーアが生き残ればいい』
『俺がこの場で舌を噛めば、お前の願いは叶わないな』

『カイ、お前の気持ちは本当にありがたく思っている。私を案ずるお前の気持ちに嘘はないと、今であれば理解できる。そんなお前に生きてほしいんだ』


 言葉にはせず、メイアは儚く微笑んでいる。彼女が笑った顔なんて殆ど見たことはないが、あまり見れた顔ではなかった。
不細工なのではない、全くの逆だ。自分の終わりを悟った女の顔は、今まで見たことがないほど美しかった。見惚れてしまうほどに、心に染み入る笑顔だった。
だからこそ、カイはもどかしく思う。こういう顔をさせたくて、今まで一緒に戦ったのではない。こんな馬鹿げた事故で死ぬなんて、それこそ馬鹿げている。

サプライズパーティという、明確な答えがある。ならばここで、何を言うべきか悩む必要なんてなかった。


『お前にだって、生きてほしいと思う人がいる』
『私にはいない、とは言うつもりはない。例えばお前だって、私の死を悲しんでくれるだろう。
先程も言ったが、私はそういう人にこそ生きてほしいと思っている』
『同じ意見を、そのままお前に言ってやる』



***




『ならば、平行線だな。話は終わりだ』





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2016年10月15日

「To a you side To a you side 第十楽章 田園のコンセール 第五話」予告編

うたわれるもの続編、ライコウさんいいね>挨拶





***



親に自分の友達や女を紹介するのは誰であろうと多少なりとも気まずく、緊張してしまうと思う。まして自分でも明確に口に出来ない人間関係とあれば、余計に。何なんだろうな、あいつらは。俺にも分からん。
日時を開ければ相談の一つも出来るというのに、あの女はすぐにでも紹介しろと言いやがる。全員揃っているのなら尚の事手間が省けると、俺のような発想をしやがるので余計に反論できない。くそったれ。
皆が待つ別室に親を連れて行くと間違いなくパニックになるので、妥協案として親の待つ部屋に仲間を呼ぶ事にした。一人一人面倒だとこれまた俺のような事を言いやがるが、知った事ではない。

何だかお見合いや面接のような体裁をなしてしまったが、俺としては死活問題である。頭の中で身内リストを並べて、難易度の低い奴から紹介していくことにした。

「こちら、神咲那美さんとペットの久遠。通り魔事件に巻き込まれた縁で、親しくなった」
「は、初めまして、ご紹介に預かりました神咲那美です。宮本さんには大変お世話になっています」
「こいつの母の陽巫女だ。そう畏まらなくてもいい、こいつが多大に世話になっている事くらい察している」

 久遠は抜群の人見知りを発揮して俺の後ろに隠れてしまっているが、怯えている様子はない。人を寄せ付けないタイプの美女なのだが、不思議と他者を威圧する空気はない。謎の寛容性があるのだ、この女には。
育て親を紹介するとの事でむしろ恐縮しているのは、那美の方だった。俺の愛人を名乗りながら、親への紹介を優先されても声援を送った忍のせいで余計に恥ずかしがっている。余計な真似をしやがって。
ただ繰り返すが、ヒミコは普段他人に無関心なだけで、率先して敵を増やす人間ではない。この女にとって息子と同年代の人間なんて、日頃相手にする子供と同じだった。

「格式の高い家柄の娘さんと見たが、この男と付き合うのは程々にした方がいい」
「おい」
「いえ、そんな……宮本さんはとても良い方で、久遠もとても可愛がって頂いています」
「どうせ、桃太郎のお供のように扱っているのだろう」
「うぐぐっ」
「く、久遠も喜んでいますから」
「まあ、建前はこのくらいにしておこう」
「建前、ですか……?」
「母としては、神咲さんのような清楚な女の子とは是非とも今後もお付き合い願いたいと思っている。
学生生活に影響が出ない程度でかまわないので、この馬鹿にかまってやってくれ。少しでも迷惑をかけたのであれば、私に言ってほしい。早急に、教育的指導を施すからな」



***




「お、お付き合いを認めて頂けるのですか!」
「当然だとも、私の事は名前で呼んでくれ」






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2016年10月13日

「Eternal Advance Chapter 21 "I hope your day is special" Action24 哀史」予告編

うたわれるもの続編、いよいよ帝都決戦へ>挨拶





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 カイが居ないということは、ヴァンドレッドシリーズ全般が使えないという事だ。メイアが居ないという事は、ヴァンドレッドメイアが使えないという事だ。
前者が居なければ後者もありえないのだが、新米リーダーであるディータの中できちんと区切りをつける。両者の不在を自覚した上で、現状に対抗する為に。
それほどまでに、両者の不在による指揮及び戦力の低下は目に見えて明らかだった。気掛かりな点も多く、先行き不安となる戦場。ゆえに大切なのは、自覚であった。

カイもメイアもどれほど苦境に立たされようと、毅然としていた。部下や仲間達を決して、不安にさせてはならない。


(せめて、あの新型だけはディータの手で倒さなきゃ……!)


 指揮系統の低下はサブリーダーのジュラが補ってくれる。ならば戦力の低下は自分で補うべく、敵の主力を打ち砕く決意を固めた。
機械に情なんて湧くわけ無いでしょう、辛辣に言った先程のユメの言葉をディータは噛み締める。敵を庇うのか、味方を守るのか、検討するまでもない。
兵器に、情けはない。無人兵器は無慈悲で人を殺す、仲間同士なんてありえない。破壊しなければ、自分達が破壊される。


「だから……ディータは、兵器さんを倒すんだ!」


 無人兵器には優先順位があるように、人間にだって優先すべきものはある。ディータは仲間を守るべく、自分を変える決意を固めた。鬼になるのではなく、パイロットとなる為に。
タラークの人達は女は悪鬼羅刹、鬼のような生物だと恐怖していると言う。故郷が、その背後にいる地球が仕組んだ教育に黙られてはならない。
あくまで人間として戦う。だからこそ、引き金を引けるパイロットとなる。引き金を引けと命じる、チームリーダーとなる。




***




ディータは、引き金を引いた。






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2016年10月08日

「To a you side To a you side 第十楽章 田園のコンセール 第四話」予告編

フィナーレ、勝てない(´;ω;`)ウッ…>挨拶





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 身内の恥を身内に晒したくないという我ながら理解に苦しむ状況で、エイミィの実に常識的で愚かな気遣いでかつての母親と対面の席が用意された。
親子水入らずというのは、血の繋がった関係に限定して欲しい。
警備員達を引っ下げたエイミィより、入国管理局の応接室に案内される。
この際ゴリラ女でもかまわないので仲介してもらいたかったが、めでたく二人きりになった。親子の情なんぞあると思ってるのか、あの哺乳類は。
久しぶりの折檻が待っているかと思ったが、母親を名乗る女は大人しく茶を啜っている。作法も糞もあったものではないのに、片手で茶を飲む姿勢にさえ女性らしさを感じさせる。
どういうホルモンをしているんだ、こいつ。

向き合っても再会の喜びも何もなく、早速とばかりに女が用件を切り出してくる。

「これまでのお前の事情は、お前の関係者を名乗る連中から聞いている」
「そこはぼかさず、誰か言ってくれよ。裏切り者は殲滅しなければならない」
「通り魔事件に遭遇した時点で、お前は警察関係者に補足されている」

ヒミコの容赦ない指摘に、グッと言葉を飲むしかなかった。リスティ・槇原との初対面での取引、親元へ連絡しない代わりに徹底した捜査協力を行う。
身近な人達は、俺に気遣ってくれていたのだと言われてしまう。
居候させてくれた高町桃子にしても、今時珍しい常識人かつ良識ある女性だ。
未成年である俺が一人放浪生活をしていて、何の身元確認もしない筈はない。事情を鑑みてくれていたのかもしれない。
海鳴へ来て半年間、期間としては短いのに随分長く過ごしているように思える。特にここ三ヶ月この町には居なかったのに、寂しさと懐かしさを感じさせる。
それほどまでに癒やされ、温められてきた。
気のない素振りを見せていたヒミコが、グラスを置いて口火を切った。

「私がお前を補足したのは、海外からの国際ニュースだ。爆破テロ事件に巻き込まれて死んだ、無謀な日本人の馬鹿な顔を見た」
「ちっ、普段世間様には全く興味が無いくせに」
「はるばるドイツへ行った理由も聞いた。剣士を気取っていながら利き腕を壊すとは、お前らしい馬鹿さ加減だ」
「どこまで聞いてんだ、てめえは」

アリサかその関係者か知らないが、多分常識的な範囲で残らず全て事情説明したようだ。親が長年行方不明だった子を案ずるのは当然だが、血の繋がりがなければ単に胡散臭いだけだ。
夜の一族という事情を除外してしまうと、俺が海外でしでかした事は無法かつ無謀な振る舞いだ。過去通り魔相手に棒切れで挑んだ、天下に夢見たチャンバラっ子の真似事にしか思えないだろう。
色眼鏡で見られているとは思わない。他人と出逢って内面の変化があったとしても、自分がしでかした過去は何も変わらない。こいつは今の俺を知らず、過去と未来でしか物事を判断できない。

なればこそ今を話すべきなのだろうが、桃子達ほど素直に自分を上手く表現できない。何故なのか、もどかしいのだがよく分からない。

「次に知ったのはまたニュース、人質となった要人達をマフィアやテロリスト共から救い出した無鉄砲なガキの賛美を聞かせられた」
「息子が活躍したというのに、全然嬉しく無さそうだな」
「お前の技量であれほどの事を成せるとは到底思えん。多大な幸運と悪運に恵まれた結果でしかなかろうよ」

夜の一族の世論操作や世界各国の絶賛を全く真に受けず、自分の判断のみを頼みにする。我が子と言おうと、冷静に裁定するこの女らしい分析だった。
的中しているので、怒る気にもなれない。
少なくとも、他人には寛大にはなったと思う。人間関係にも、面倒ではあるが向き合ってはいる。血縁が一切なくても、ユーリ達の事は我が子のように可愛がっている。
人への距離は、前よりも確実に近い。
だが、この女についてはむしろ遠くなった気がする。相変わらず腹が立つし、距離や時間を置いても抵抗しか感じない。故郷へ帰るのだと決めていたのに、素っ気なく感じられてしまう。

用意されたお茶を飲んで、俺は立ち上がった。

「孤児院を黙って出ていったのは悪いと思っているが、あんただって大して俺の事は気にしていなかっただろう。少なくとも今はきちんと生活出来ているし、もうあんたの手は煩わせない。
必要な手続き等が必要なら全部きちんとやるから、もう俺には関わらないでくれ」
「性根は変わらんな」
「あんただって、同じだろうに。他のガキの面倒を見てやれよ、俺はもう自分で生きていける」



***





「あの孤児院なら、無くなったぞ」






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母港は大丈夫だけど装備枠がパンパンだよぉ・・


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