2015年06月13日

「To a you side 第九楽章 英雄ポロネーズ 第三十話」予告編

夏コミ、当選しました(`・ω・´)シャキーン>挨拶
































***


 復活祭は聖なる神が復活した事を記念する宗教上最も重要な祭りであり、神の復活を後世まで記録する特別な礼拝なのである。聖地で復活祭を行う意義は非常に大きく、非常に重要である。
聖王教会主催で行われない理由は復活祭という宗教文化を知らない事もあるだろうが、何より神の不在が今の聖地を作り出している意味を重視している点が大きい。宗教にも、権力闘争がある。
神の不在は待ち人の不在を指しており、聖女の護衛の空席を物語っている。闘争する余地があれば戦争は勃発し、戦争による特需は歴然として生まれる。聖地は潤い、自治領は満たされる。
聖地で復活祭を行えば、神の到来を認める事と同義だ。待ち人の到来は予言の成就であり、聖女の護衛の決定である。席は埋まり、戦争の意味はなくなり、特需は消える。空腹を懸念している。

だが、俺のような弱者には関係のない話だ。戦争で勝つのは強者、競争で勝つのは権力者、戦乱が起これば弱者はただ奪われて死ぬだけだ。民は疲弊し、大地は摩耗する。

俺も剣士だ、弱肉強食を否定するつもりはない。誰だって成功したいし、誰だって栄えたい。競争によって人は成長し、戦争によって技術は進歩する。その価値まで拒絶はしない。
正義感でも何でもなく、強者に対して弱者が抗うだけだ。自分が蟻であっても、黙って恐竜に踏み潰されるつもりはない。純白の旗を掲げて、弱者の権利と存在を主張するのみ。
欲望と欺瞞で栄える今の聖地で、正々堂々と神の復活を祝ってみせよう。嘘をついている大人達に、子供が真実を素直に教えてやろうではないか。正義ではなく、自分なりの正しさを示してみせる。


「俺の剣に、聖王オリヴィエ・ゼーゲブレヒトの霊が取り憑いている」


 聖王のゆりかご調査で起きた真実の全てを、まずは素直に大人達に打ち明けた。三役にジェイル・スカリエッティ、現地合流組からウーノ達新規採用者達に事実を説明する。
試用期間中の中途採用者である冒険者達には詳細は伝えられないが、復活祭開催については告知する予定。入院中の既存メンバーは退院後伝えるつもりだが、復活祭まで間に合わないかもしれない。
仲間達の衝撃は大きかった、無理もない話だ。かつてベルカの戦乱を収めて世界平和に貢献した王が、変わらぬ世界と人々に絶望して滅ぼそうとしている。神は救済ではなく、破滅を望んでいる。

元犯罪者であるジェイル達も興味深そうではあるが、動揺も大きいようだ。

「――まさか、ゆりかごの玉座に聖王の霊が眠っていたとは驚きだ」
『ゆりかごを聖地に破棄された事が祟り霊現界の理由となった、陛下と巫女様のご推察通りであれば皮肉な話ですね」
「お話をお聞きする限りだと、陛下の存在が決め手になったとも思われますわね。それで私、ご説明を伺って気になっているんですけど――

どうしてオリヴィエ様は、陛下を御子息だと思い込んだのでしょうねー?」

「うむ、巫女殿と"聖王の魔導書"の鎮魂術により正気に戻った経緯は分かったのだが、何故君を自分の息子であると思ったのだろう」
「聖王の伝承には明るくはないが、かの王の言によれば世継ぎには恵まれなかったのじゃろう。特に聖王のDNAは特殊じゃ、君と見間違う筈はないんじゃがのう」

 クアットロが余計な事を質問したせいで、レオーネ氏とラルゴ老が疑惑を深めている。俺の虹色の魔力光については誤解を受けかねないので、敢えて話していないからだ。
仮に話したところで、聖王が誤解した理由は俺だってよく分からない。子供が埋めない身体だとほざいているくせに、俺が我が子だと頑なに思い込んでしまっている。
本人に聞けばいいのだが、話がややこしくなるだけなので竹刀袋に封印している。今のところ大人しいが祟り霊は世界を壊滅させる巨大な霊魂、封印では抑えきれないので本人の意志で解放される。
今は世界の破滅より俺との契約を優先してくれているだけだ、情勢が悪化すれば容易く世界を滅ぼすだろう。何としても、聖地で起きている戦乱を止めなければならない。

俺は立ち上がって、宣言する。

「聖王オリヴィエ・ゼーゲブレヒトとの契約であろうと、初心そのものは変わらない。聖地を平和に導いて聖女を守る、その為に復活祭を行って人々に希望をもたらせよう」
「かつて聖王は自分自身がゆりかごの鍵となり、ベルカの希望として人々に安寧をもたらした――聖王本人を希望とした復活祭、歴史の再現となりそうだね」
「同じ歴史なんてありえないさ、ジェイル。俺達は過ちを繰り返さないように、今を生きているのだから」
「それでこそ君だ。私は元より表舞台に立つ性分ではない、観客席から大いに君を見届けさせてもらうよ」
「舞台裏で働けよ、ボケ」


***





「よし、セッテを呼んで見張らせよう」
「やめて下さい、陛下。死んでしまいます!?」


クアットロに泣いて土下座をされた。





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posted by リョウ at 13:43| 大阪 🌁| Comment(2) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
本編更新楽しみにしています。

誤字報告
『子供が埋めない身体だとほざいているくせに』
正)産めない
墓穴を掘りかねない(^^;;
Posted by HAL at 2015年06月13日 17:21
いつも小説をお読み下さってありがとうございます。
変な誤字で我ながら笑ってしまいますw
修正しておきますねφ(..)
Posted by リョウ at 2015年06月14日 22:09
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