2015年05月09日

「To a you side 第九楽章 英雄ポロネーズ 第二十五話」予告編

いよいよ来週から、関東へ出発。引き続き仕事も小説執筆も頑張りますのでよろしくお願いします(`・ω・´)ゞ>挨拶












***


 聖女の護衛と聖王のゆりかご調査、この依頼を発端に起きた一連の事件は聖地を揺るがす大事件へと発展した。聖王騎士団の全滅に聖女の入院、聖地の大地震と聖王のゆりかごの起動。
前者のみであれば聖王教会が何が何でも事実を伏せていたであろうが、後者の影響が大き過ぎた。目撃者は聖地に住まう人々全員、被災者はミッドチルダ全土に及んだ。
幸いにも地震による死傷者は出なかったのだが、後者により前者の犠牲者がピックアップされてしまう悪循環。隠し立てするのは不可能であり、聖王教会は真実を明らかにするしかなかった。

その上で、実に思い切った手段に出た。

『被災者の窮状は、我々マスメディアにも真偽を別にして多く伝わっております。原因不明の被災が起きた現地では情報も錯綜し、混乱も大きかったと思われます。
貴女自身も被災に遭う危険があったと思われますが、その点はいかがお考えでしたか?』
『私が何故無事だったのか、ではなく、皆さんが被災に遭われた事だけを考えて行動いたしました。考えと言うのであれば、聖王教会の教えに従って行動したまでです』
『ご立派なお考えですね。貴女の勇気ある行動を讃えて聖王教会より感謝状と聖位を送られる意向でしたが、本日の面談で辞退なされたと伺いました。
申し上げにくいとは思いますがその真意を是非お聞かせ下さい、ローゼさん』
『被災が聖地にまで及ばなかったのは被災原因を突き止められた聖女様と、聖王教会騎士団の方々の勇気ある行動によるものです。聖女様と騎士団の方々こそ、真なる救世主です。
私はただ皆さんをお守りする為に行動した方々へ、ほんの少しの力添えを行ったまでです。もしも感謝するのであれば、皆さんをお救い下さった方々全員だと思います。

今こそ私は、皆さんに御礼を申し上げたい――聖女様、聖王教会騎士団の方々、聖地をお守り下さってありがとうございました』


 美談とは、悲劇の中から生まれる。甚大な被害と悲劇を生んだ今回の被災で犠牲者が一人でも出なかった奇跡を、人々はたった一人の非力な少女から見い出したのである。
麗しい美貌を汗に濡らし、白い手のひらを泥で染め、綺麗な銀の髪を乱して、被災地より騎士団と聖女一行を救い出した女の子。自分から名乗り出ず、教会側からの感謝により発見された救世主。
聖王のゆりかごで起きた怪現象、正体不明の失調は伝染病等の危険性も高かったのに、被災地で己を顧みずに全員を救い出した少女。その勇気ある行動に、ミッドチルダ中が涙した。
ミッドチルダ全土が不安と恐怖に怯える中で、救世主である少女の存在が神の如き威光に照らされたのである。各マスメディアは連日彼女を追い、少女の素顔と内面が眩しく飾られた。
少女は、何も求めない。結果を聖女に譲り、功績を騎士団に捧げ、支援を教会に委ね、援助を人々に与え、自分を世界に売り渡した。少女という額面から何一つ外れず、彼女のままで在り続けた。


本当に、何一つ変わらないままで。


『貴女の尊敬する人物は誰ですか――主です』
『主とは誰だと聞かれるぞ』
『ローゼが居ないと何も出来ない、松葉杖をつく殿方であるとお答えします』
『寝たきり老人かよ、俺は!?』


 無論救世主の正体は、アリサと俺のカンペに頼っているこのアホである。自動人形なのだから霊障に合わないのは当然だという事実を利用して、被災地の人々を全員救出させた。
被災後も自分から敢えて名乗り出さずに、教会やマスメディアが来るのを辛抱強く待った。美談は、自分から語ってはいけない。誰かが語り継ぐ事で英雄譚となり、伝説となるのだ。
聖女から感謝が送られるとばかり思っていたのだが、意外にも真っ先に騎士団の連中がローゼを祭り上げた。霊障による失調に苦しむ彼らに、ローゼの温かい励ましが何よりの力となったらしい。
感謝状を提案したのは、あの騎士団長らしい。聖位はゆりかごが起こした悲劇を美談にしてくれたローゼへの後ろめたさと感謝なのだろうが、どちらもローゼはやんわりと辞退している。

俺達の目的は、ローゼ本人を世界に売り込む事である。アイドルでも、救世主でもなく――ローゼという存在を、世界に知らしめればそれでいい。ただそれだけで、目的は達成していた。

どこぞの知れぬ怪しげな人型兵器が封印されても何の話題にもならないが、生地を救った救世主が突然行方不明になれば大騒ぎとなる。何より、ローゼに大きな借りがある聖王教会が黙っていない。
その上で教会上層部は、ローゼがジュエルシードを動力源とした自動人形である事は承知している。教会の名誉を大いに高めてくれたロストロギアを、彼らは何より重宝してくれるだろう。
となれば、ローゼを管理するこのプランも重視される。被災にこそ遭ったが、聖王のゆりかごの怪現象を解決した俺達の存在もこの先重視されるだろう。プランの重要性は、飛躍的に高まったのだ。
怪現象が起きたことも想定して、管理プランに聖王のゆりかごというロストロギアが組み込まれる事はほぼ決定的となった。司祭を通じて決定となり、管理プランは聖王教会公認へと認められる。


***







それはローゼとアギトの安全性を高める結果となるのだが――聖王の霊と聖王のゆりかごという新しい爆弾を抱える、危険性も孕む事となるのだ。









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posted by リョウ at 12:01| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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