2015年02月28日

「To a you side 第九楽章 英雄ポロネーズ 第十五話」予告編

三月ですね>挨拶












***


 異世界ミッドチルダへ来てからも、基本的な生活習慣はあまり変わらない。文化や技術の違いが大きくあれど、魔法という異端があろうと、人間は何処にいてもさほど変わらない。
利き腕を取り戻してから剣術修行も再開し、異世界へ訪問しても毎日修行は続けている。指南役のザフィーラやのろうさ、補佐役のミヤやアギトが同行してくれた事が大きい。
そして何よりフィリスより託された、自分の剣がこの手にある。俺が剣士である唯一の証である竹刀は、日頃より竹刀袋に入れて帯剣している。この剣がある限り、俺は変わらずに済む。
師匠である御神美沙斗より、ドイツの地で戦いにおける知識の全ては叩き込まれている。自分の剣と師の知識、指南役と補佐役。異世界でも全てが揃っている俺は、幸せ者だ。

日頃忙しくても朝早くから起きて基礎鍛錬に始まり、戦闘訓練と魔法修行を続け、汗水流して弱い身体と心に鞭を売っている。少しでも強くなるべく、あらゆる可能性を追求する。


「"ギア2nd"は血液促進による身体能力向上、"ギア3rd"は変身魔法と強化魔法による身体成長促進なのね。血液の促進なんて無茶な芸当、どんな原理でこなしているの?」
「家系の体質です」
「ふーん、体質ね……まあいいよ。クイントおばさんからも頼まれてるし、技の完成を手伝ってあげる。でもすずかちゃんにしては珍しく、急いでいるのね」
「"呼ばれました"。この地には、わたしの敵がいます」

「――可能か?」
「プランの一環であれば、司祭様より許可を得られれば教会の機材で検査は行えます。貴女も保護対象の一人、融合騎としての機能を調べるのは問題ありません。
ですが、正直申しますとあまりお勧めは出来ません。前例のない方法ですし、お二型の規格に沿わない場合――最悪、修復不能となりますよ」
「アギトちゃんといっぱい話し合って、決めたんです。のろうさちゃんにもいっぱい怒られましたし、お姉様やはやてちゃんもきっと悲しむでしょう。

でも一生懸命頑張るリョウスケの為に、ミヤも何かしてあげたいんです。元々ミヤはイレギュラーですし、いっぱい幸せをもらえました」
「これはあいつとアタシの取引だ。あいつがてめえの人生かけて勝負してるってんなら、アタシだって命くらい懸けるさ」

「ユニゾンの更なる可能性、ですか……ご立派です、お二人共」


「剣士様――貴方様は、もしかすると」
「はは、やっぱり分かってしまうか。実はそうだったんだ、期待させておいてすまなかったな」
「……いえ、逆です。私は貴方という御方を心より、尊敬いたしました。あの方の力になろうとしながらも、俗に没して我が身を哀れんでいただけの自分が恥ずかしくなります」
「一つ聞かせてほしい、剣士。君は、怖くはないのかい?」

「小細工を弄そうと、戦いは恐らく避けられないだろう。仲間の力を思う存分借りる気でいるが、自分も必ず前線へ立つ日がきっと来る。
傭兵一人、チンピラ一人にさえ、俺は多分苦戦させられる。リーダー格なら九分九厘殺されるだろうが――不思議と、怖くはないな。

見切りをつけた自分の為ではなく、誰かの為に頑張ろうとしているからかもしれない」

「その誰かが御主人様にとって、その……聖女様、なのですか?」
「たった一人の女に頑張れるようなヒーローじゃないよ、俺は。自分一人、他人の一人の為だけなら、怖くて思いっきりビビっちまうさ。
懸けるチップが大きいほど、負けられない気持ちも強くなる。守る人達が多ければ大きいほど、強くなろうとする気持ちも強くなる。

恩を返そうとする気持ちが――他人を守る、力となってくれる」


「――無限の猟犬(ウンエントリヒ・ヤークト)」
「うん、どうした急に……?」
「無限の猟犬(ウンエントリヒ・ヤークト)、僕が保有する古代ベルカ式のレアスキルさ。このように魔力で生み出した猟犬を放つ事で、探査・捜索を行う事が可能だ。
ステルス性能があるので目視や魔力探査に囚われず、運用距離の制限もないので聖地のあらゆる箇所を探索出来る」
「レアスキルではありませんが、私は瞬間的な距離移動を行う跳躍系の技能を保有しております。セキュリティや障害物を越えて、移動が可能です」

「! あんたら、自分の切り札を……!?」

「霊障の探索だけじゃない、今日から君が成そうとするあらゆる事を補佐する。僕達の能力はきっと、君の力になれると思う」
「ロッサが探索し、私が移動してあらゆる困難を打ち砕く。ディアーチェ殿と連携して、この聖地に蔓延る問題の全てを解決しましょう」
「いいのか、そんな真似をして。教会側ではなく、俺個人の事情に完全に巻き込まれるぞ」
「今、確信したのです。貴方様こそ聖女の護衛に相応しく、貴方様が潰えれば聖女様の御身は破滅してしまう。それに先程申し上げた通り、私は強く後悔しております。
聖女様の御力になりたいのであれば、私自身が率先して事に当たるべきだった」
「言ってみればこれも罪滅ぼしみたいなもんさ、気にしないでくれ。目の前で起きている問題にずっと目を背けているのも、正直もうウンザリしていた。
僕達にとって、ここは故郷だ。故郷の地で身勝手な真似をする輩を、僕は断じて許せない」
「シスターや査察官候補様がそんな熱血でいいのか、全く……いいさ、思う存分やってくれ。責任が全部、俺が取る」


***






「御主人様、私も御主人様の為に頑張ります。私に出来ることがあれば何でも仰って下さい!」
「じゃあ、お茶を入れてくれ」
「うう、娼婦の次は、お茶汲み……いえ、不満なんてないんですけど、もっとこう何か……」









大人気ゲーム【艦隊これくしょん】
Mステランキングにアニメ艦これOP『海色』5位・ED『吹雪』6位にランクイン!


→私のHP



新刊『To a you side 5th 悪しき世よ、われは汝に頼まじ』、@とA通販中(´・ω・`)+
値段:500円
ジャンル:とらいあんぐるハート3×魔法少女リリカルなのは本
posted by リョウ at 16:13| 大阪 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック