2012年12月15日

「To a you side 第7楽章 暁は光と闇とを分かつ 第八十話」予告編

来週はクリスマス小説を書く予定>挨拶







***

「推薦人が必要!?」
『会議が再開されるにあたって、出席には相応の推薦人が必要とする制度が新しく設けられたの』

 夜の一族の後継者を決める世界会議の再開、日時を含めた正式な連絡が俺の元にも届けられた。予想外にも程がある、新しい会議の規約を伴って。
俺はイギリスの一族アンジェラ・ルーズヴェルトより、招待を受けている。真っ向勝負を望むアンジェラも敵対する俺の招待自体は取り消さず、引き続き世界会議には出席出来る。
俺もその点は確信していたのだが、ここに至って世界会議参席に新しい制度が突然設けられてしまったらしい。まさに寝耳に水、耳を疑う内容。

俺の後継人である綺堂さくらに、事の詳細を問い質している。

「世界会議の開始ならともかく、再開だろう!? 新しい制度を作るのならば、新しい長を決めて新体制で決めていけばいいじゃないか!」
『私もそう言って反対したのだけれど、受理されてしまったの。今年一族の幹部候補に認められたとはいえ、私はまだ末席に身を置いているだけ。
自分の意見を押し通すのは難しかったわ、ごめんなさい』

 本当に申し訳なく思っているのだろう、電話越しの声が湿っている。さくら本人を責め立てるつもりはなかったが、語気を荒げてしまったようだ。
自分の未熟さを理由に、他人を傷つけるつもりはない。ローゼに水を持ってこさせて、まずは気持ちを落ち着かせた。

「そもそもどうして今年の、しかも会議の途中にそんな制度を設けたんだ……?」
『それは――言い難いけど、貴方を含めた人間が会議に乱入したからなの。
今回夜の一族の次の長を決める大事な会議が中断したのはロシア側の手引きもあるけれど、テロリスト達の暗躍があったでしょう。

人間達の度重なる介入に、夜の一族全体が不審で揺らいでいるの。貴方を悪くいう気はないけれど、貴方自身の介入で後継者を決める会議も長引いている』
「そ、それは、そうかもしれないけど……」


 考えてみれば今会議が中断しているのはテロリスト達のしわざだが、俺個人も色々意見を言ったり強行に出ているせいで、休憩だの何だので長引かせてしまっている。
夜の一族の為を思っての行動ならば問題ないのだが、俺が口出ししているのはあくまで自分の為である。自分を認めさせるべく、夜の一族に挑んでいるのだ。

テロ行為には出ていなくとも、他の連中からすれば実に疎ましい存在だろう。事実、ロシアやドイツを失脚させている。


「人間そのものが不審に思われている。その為の、推薦人制度なのか」
『一応言っておくけれど、推薦人が必要なのは会議の出席者全員よ。今回テロリスト達を介入させたのは、間違いなくロシア側の犯行なのだから。
由緒正しき家系、というだけでは信用出来なくなったの。まして、今回決めるのは夜の一族を率いる長』

「――民の支持を受けない王様は必要ない、そういう事か。随分とまた、民主的な考えだな」

『提案したのは兄さん、氷室遊よ。そして、アンジェラ様がその提案に賛同なされた。ロシアにはもう、否定する権限はない。
アメリカやフランスも反対する理由が見つからず、黙認。テロによる蛮行を受けたばかりだもの、彼らも人間を支持できなくなっている』


「くそ、次から次へと悪辣な策を仕掛けてきやがるな」


***




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posted by リョウ at 16:06| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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