2024年05月04日

To a you side 第十三楽章 村のロメオとジュリエット 第七十八話 予告編

***


 海鳴の高級ホテルで起きた爆破テロ事件と、さざなみ寮で起きたマフィア襲撃事件。
後者は表沙汰になっていないが、チャイニーズマフィアの動きそのものは政府側も認識しているのは間違いない。
協力すると決めた以上、情報を共有しておかなければならない。この点についてはアリサと事前に想定していたし、夜の一族も既に動いている。

事前の手筈通り、異世界に関する事柄は全て超能力で説明し、シルバーレイが協力してくれた事にする。本人は実に嫌そうな顔をしてそっぽ向いていた。

「このような経緯で当時組織に身を置いていた彼女が私達に協力してくれて、事無きを得た次第です」
「……話には聞いていたが、改めて感謝しなければならないね。娘のことだけではなく、友人知人も助けてくれた」
「誤解しないでくださいね。誰かがどうとかではなくて、単純にマフィアにこき使われるのが嫌でやっただけなんですから。
標的にされている良介さんの背景は不透明とはいえ、政府筋と繋がっていそうなのは確かでした。

行きがかり上協力すれば、アタシの今後に繋がると考えて行動したまでです」

 世界会議以後俺を逆恨みするマフィアが数々の報復を行ったが、阻止されるか返り討ちに遭うかしていた。
実際は夜の一族が手を回して報復を受けていたのだが、"サムライ"の暗躍もあって俺を単なる一個人とみなされていなかった。
その前提を考慮した上で、シルバーレイは裏切りの理由としてアルバート議員達を納得させる材料とする。事前に打ち合わせていた内容だった。

しかし俺も説得こそしたとはいえ、シルバーレイが組織を裏切ってまで協力してくれた明確な理由は今ひとつよく分からないんだけどな。まあ待遇も悪かったのだろうけど。

「事情を伺い調整もさせていただいていますが、今後も協力して頂けると考えていいのですね」
「大っぴらに能力を披露する気はないので、それこそ調整は任せますよ。面倒なんで」
「こちら側で調整できるのであればそれこそありがたいです。能力については――先生」
「政府への交渉については任せてほしい。いずれ明らかになるのかもしれないが、個々の尊厳と保証は明確に行いたい」

 シルバーレイはあくまで本人の証言に過ぎないが、製造の完成度からマフィア側の期待値も高く、取り扱いは大切にされていたらしい。
あくまでも兵士として重用されていたにすぎないにしろ、いきなり悪事に染める真似はされなかったようだ。実際むちゃくちゃやらせて裏切られては元も子もないし、国家が本気になって回収でもされたら目も当てられないからな。
実際の所フタを開けてみれば、日本での大事な任務で早速裏切られているし、政府への回収こそされていないが、こうして標的である俺と合流までしている。ほぼ最悪の展開だろう。

だからシルバーレイも少なくともテロリズムには手を染めていないようだ。だからこそこうして制限こそあるが、拘束はされていない。








***






"能力を大っぴらにしていないってお前、救急車を爆走されていたじゃねえか"
"ちょっとからかおうとしただけなんですけど良介さん、予想していた以上にビビってくれたのが面白くて調子に乗っちゃいました。てへ"
"救急車が運転手もおらず走り出して、空まで飛んで追っかけてきたら伝説の勇者だってビビるわ!"







<続く>


小説のご意見や感想も受け付けていますので、
お気軽に送っていただければと思います(ぺこり)

■WEB拍手メッセージ:http://webclap.simplecgi.com/clap.php?id=ryou123 
■HP「生まれたての風」: http://ryou01.sakura.ne.jp/umaretate/main.html
■欲しい物リスト:https://www.amazon.co.jp/hz/wishlist/ls/2ULU5TTDUSAYH?ref_=wl_share
posted by リョウ at 16:07| 大阪 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする