2020年09月04日

「To a you side 第十一楽章 亡き子をしのぶ歌 第百二十話」予告編

9月になってもまだ暑いですね(;´・ω・`)>挨拶




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 ――自分の死を悟った時、微笑みを浮かべた少女の心境は如何ほどだったのだろうか。
我が身を振り返って考えてみる。瀕死に陥ったこと、死を覚悟したこと、実際に死んだこと、そのそれぞれに悲しいほどに経験があった。
自分が死ぬのだと思ったその時、俺は何を考えていただろうか。少なくとも充実した気持ちではなかった。大抵は苦痛の果ての奮起か、もしくは諦観でしかなかっただろう。

イリスはきっと、思い残すことなくこの世を去った――けれど、残されたものはどうか。

「……まだ、立ち上がる気力があるのですか」
「許さない……今更謝っても、絶対許さない……一緒に罪を償うまで、絶対に許してあげない!」

 驚愕を目にした聖王オリヴィエ・ゼーゲブレヒトの固有型を前に、キリエ・フローリアンが幽鬼のように立ち上がっている。
穴だらけという表現が陳腐に思えるほどに、全身の各所から壮絶に血を流している。美しい肌が血に濡れて、死装束のように化粧されていた。
無茶に無茶を重ねた結果、強靭に鍛えられた肉体が負荷で悲鳴を上げている。ショック死しても不思議ではない状態、もはや本人を支えているのは気力のみだろう。

そして、その生きる気力を与えたのは、間違いなくイリス本人であった。

「ユーリちゃん。お願い、イリスをどうにかして治してあげて! どんな反則技使ってもいいし、私が全部責任を取るから!」
「! 分かりました、絶対の絶対に死なせませんから!」

 完膚なきまでに消滅してしまったのだ。治療なんて無意味にしか見えない状況なのだが、本人達は全く認めていないし納得もしていない。
無理からぬ話であった。キリエ・フローリアンの願いは両親の治療であり、ユーリ・エーベルヴァインの願いはイリスと家族になることである。
どちらも奇跡に縋るしかない無謀である以上、今更諦める選択肢はなにもないのだ。この程度で諦めるようでは何も救えないし、何も叶えられない。

可愛い妹が無茶苦茶をしているのを見ても、姉であるアミティエは叱らずに微笑んでいる。

「貴方を製作したフィル・マクスウェルは倒されました。貴女の軍隊は、剣士さんの部隊によって制圧されるでしょう。
聖王のゆりかごも剣士さんご本人が止める。残りは貴女一人です、これ以上の戦いは無益ではありませんか」

「貴女達の懸命な時間稼ぎが功を奏したのは、認めましょう。素晴らしい戦士たちでした」

 こともなげに認めるその姿勢に、アミティエは息を吐いた。真犯人は無様を晒したというのに、真犯人が製作した固有型はまぎれもなく本物の王であったから。
弱者を蹂躙する強者の無慈悲と、強者を称える王者の貫禄が両立している。古代ベルカの歴史こそアミティエは知り得なかったが、きっと偉大な王で築き上げられたのだと察せられた。
そのうえで、武装解除する様子がない事に歯噛みする。強者の崇高な責任感は、弱者には理解できない観念であった。

何が彼女をそこまで奮い立たせているのか、検討もつかない。


「何故ですか。作り出されたことへの抵抗がないのであれば、時代の果てにある敗北を受け入れる矜持だってある筈です」
「あのイリスという少女は、自分自身の決断で行った行動に対して責任を果たしたのでしょう。気概こそ違えど、私も同じです」
「無意味に闘争を続けることに、何のケジメがあるというのですか!」


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「今も尚、争いが続くこの世を終わらせる――それこそが私自身の責任であり、使命です」




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posted by リョウ at 18:00| 大阪 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする